WBC世界バンタム級王者。天才ボクサーが再起。再び世界へ。「vs. ホセ・ルイス・ベガヒル」、WBC戦「vs. ビクトル・ラバナレス(再戦)」、「vs. ホセフィノ・スアレス」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」
①辰吉丈一郎 2R KO ホセ・ルイス・ベガヒル
(バンタム級戦、1993年)
(ダウンシーン)
2R:右ストレートでベガヒルがダウン
(感想:ビクトル・ラバナレスに敗れた辰吉の再起戦。WBC24位のベガヒルはメキシコの中堅どころ。これまで22勝(19KO)14敗1分。共にフットワーク、ジャブ、右ストレート。辰吉は連打、ベガヒルは一発ずつパワーを込めた打ち方。右を当てようとするベガヒルだが、スピードと器用さでは辰吉。2R、辰吉が腕を回すパフォーマンス。そして右ストレートでベガヒルがダウン。立てず、KO。久しぶりに豪快な勝ち方をした辰吉。左フックを当てる巧さも健在。)
②辰吉丈一郎 12R 判定 ビクトル・ラバナレス
(WBC世界バンタム級暫定王座決定戦、1993年)
(感想:辰吉がタイトル獲得。ラバナレスを破った王者、辺が負傷したため、またしても「暫定王座」が復活。WBC2位の辰吉と3位のラバナレスが再戦。レフェリーは初戦と同じくリチャード・スティール。辰吉はディフェンスしながらスピーディーにジャブ、連打。ラバナレスは乱打。1Rから最終ラウンドまで打ち合いが続く。判定は2-1。ギリギリで辰吉。パンチの正確さが評価されたか。ラバナレスはパンチを振り回すタイプだが当てるのが意外と上手く、ディフェンスもできる。ジャブも強い。実戦で鍛えられた実に強いファイターだった。)
③辰吉丈一郎 3R KO ホセフィノ・スアレス
(バンタム級戦、1994年)
(ダウンシーン)
2R:左フックでスアレスがダウン
3R:左フック、左ボディフックで2度、スアレスがダウン
(感想:複雑な状況になってきた辰吉。ラバナレスとの再戦後、網膜剥離に。当時のルールではそれは「引退」を意味し、暫定王座を返上。目の手術に成功し、ハワイで復帰戦を行うことに。相手のスアレスはWBC14位で、メキシコの選手。これまで18勝(12KO)9敗1分。薬師寺保栄の持つWBC世界バンタム級王座に挑戦して10RでKO負けしたことがある。1R、左のガードを殊更に下げて辰吉がジャブで攻める。スアレスは消極的。下がったりしながら距離を取ってジャブ、振りが大きめのフックで応戦。辰吉はそんなスアレスをノーガードで挑発。2R、キレイな左フックでスアレスがダウン。3R、再び左フックでスアレスがダウン。最後は左ボディ打ち。左フックがボディにヒットし、スアレスは一瞬間を置いてダウン。しゃがんだまま立てず、KO。余裕を見せながら辰吉が快勝。薬師寺が10RでKOした相手を辰吉は3Rで仕留めた。その後、辰吉はWBCに返上した暫定王座を再び与えられ、正規王者の薬師寺と「統一戦」を行うことに。)