「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「怪物の弟」井上拓真

WBC世界バンタム級暫定王者。シャープなパンチが武器「vs. フローイラン・サルダール」「vs. 久高寛之」「vs. ペッチ・CPフレッシュマート」「vs. ノルディ・ウバーリ」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

井上拓真 10R 判定 フローイラン・サルダール
バンタム級戦、2016年)

(ダウンシーン)
1R:ワンツーで井上がダウン
8R:右ストレートでサルダールがダウン
9R:左フックでサルダールがダウン
(感想:井上拓真は「怪物」井上尚弥の弟。「ボクシング一家」のため、当然のようにボクサーに。アマチュアで活躍したが、田中恒成に敗れたことがあるという。プロデビューの相手は日本ランカーの福原辰弥。5戦目で東洋太平洋スーパーフライ級王座を決定戦で獲得。王座を返上し、世界王座を狙う状況。WBC世界スーパーフライ級4位で、これまで7連勝(2KO)。サルダールはフィリピンの選手で23勝(15KO)1敗1分。WBOのインター王座(フライ級)などのWBOの地域王座を獲得してきた実力者。1R、共に速いジャブ、力強いワンツー、左フック。サルダールの速く、パワフルなワンツーで井上がダウン。やや慎重になる井上。ブロックしながらジャブ。5R、井上が左フックの連打といったコンビネーションをヒットさせる。サルダールは「やられたら、やり返す」といった気の強さを見せるが、互いにディフェンスし、どちらかが一方的に打たれるシーンは無い。8R、右ストレートでサルダールがダウン。9Rには左フックでダウン(いずれも速いパンチだった)。判定は3-0。手数で井上が勝利。採点上は大きな差がついたが、内容的には競ったものだった。なかなか強かったサルダール。思い切った打ち方でパンチにパワーがあり、パンチをかわすテクニックを持っていた。しかし、後、木村翔の持つWBO世界フライ級王座に挑戦してKO負けを喫した。)

井上拓真 10R 判定 久高寛之
バンタム級戦、2017年)

(感想:練習中に右拳を負傷したため、世界挑戦が中止になってしまった井上。約1年ぶりの試合(兄・尚弥がリングサイドで観戦)。相手は世界王座挑戦の経験が四度もある久高(25勝(11KO)16敗1分。負けがエラい多い)。スーパーフライでWBC9位の井上、日本2位の久高。共にジャブ。井上がワンツー、右カウンター、左フック。久高は右を当てようとし、時折連打を見せる。互いにディフェンス。ハンドスピードで勝負する井上が連打(4R、8Rほか)、左ボディ打ち(5R)。久高の右フックがカウンターでヒットするシーンも。最後まで一歩も引かない久高は最終10Rには「打ってこい」というアピール。判定は3-0。井上が手数、カウンター、ディフェンスで勝利。サルダール戦ではパワーが目立っていたが、久高戦ではブランクの影響もあったのか、スピードで勝負するタイプになったような印象。一方、気合いの入った試合ぶりだった久高。タフだったが、スピードで負けた。そんな久高。後、日本スーパーフライ級王座を決定戦で獲得。)      

井上拓真 12R 判定 ペッチ・CPフレッシュマート
WBC世界バンタム級暫定王座決定戦、2018年)

(感想:井上がタイトル獲得。マーク・ジョン・ヤップとのWBC世界バンタム級指名挑戦者決定戦で判定勝ちした井上。これまで12戦全勝(3KO)。WBC5位として暫定王座決定戦に出場。WBC2位ペッチはタイのサウスポーで、これまで全勝。WBCのユース王座(フライ、スーパーフライ、バンタム)を獲得している(「CPフレッシュマート」はタイのコンビニエンスストアのチェーン。日本の「ローソン」みたいなものだと思うが、それをリングネームにするのはどうなのだろう? 日本人ボクサーが「拓真ローソン」「尚弥セブンイレブン」というふうに呼ばれるようになったら、ちょっと悲しい)。1R、井上が右ストレート、左右フックで先制攻撃。しかしながら、なかなか手強いペッチ。パワフルな左ストレート、右フックで反撃。接近戦。2R、激しいバッティング。それもあってか、井上は慎重にディフェンスしながら右カウンター、左フックをヒットさせる。9R、10R、井上が連打を連続ヒット。10Rからペッチはオーソドックス(右構え)にスイッチするが、さほど効果はない。最終12Rはペッチが右を当て、井上は足を使う。判定は3-0。ジャッジ三人とも117-111。井上がディフェンスと当てるテクニックで勝利。ペッチは時折右パンチを当てるなど強かった。その後、ペッチは連勝中であるが、二度目の世界挑戦はまだ実現していない。)

ノルディ・ウバーリ 12R 判定 井上拓真
WBC世界バンタム級王座統一戦、2019年)

(ダウンシーン)
4R:左ストレートで井上がダウン
(感想:ウバーリが王座統一。暫定王座を2018年12月30日に獲得した井上。ウバーリはその後2019年1月19日に王座決定戦で正規王座を獲得。暫定王者の方が先に決定し、正規王者と統一戦を行うという、事情がありそうな試合。リングサイドにはファイティング原田村田諒太香川照之。これまで全勝のウバーリはフランスのサウスポー。共にパンチにスピードがあり、ディフェンスもできる。ウバーリは右を使いながら左を強く当てようとする。3R、ウバーリが左ストレート、右フック。4R、左ストレートで井上がダウン。井上のパンチも悪くはないが、ディフェンスされてしまい、主導権を握るような強打を打ち込むことができない。左を当てるテクニックを見せるウバーリ。12R、攻める井上だが、倒せず。判定は3-0。ウバーリが精力的な連打&ディフェンスで勝利。当てさせてもらえなかった井上。兄・尚弥と似たようなスタイルではあるが、パンチ力が違う。どうやら弟・拓真はキレとタイミング(特にカウンター)で勝負するスタイルの方が良さそう。重要な試合を落として初黒星の井上だが、後、東洋太平洋バンタム級王座、WBOアジア太平洋バンタム級王座を獲得して再び世界を狙う。ウバーリは次の試合でノニト・ドネアにKO負け。それ以来、リングに上がっていない。) 

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