「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「左強打が武器」宮崎亮

WBA世界ミニマム級王者。小柄ながら強力な左フック。「vs. カルロス・ベラルデ」「vs. ヘスス・シルベストレ」「vs. ファーラン・サックリンJr」「vs. イカル・トビダ」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

宮崎亮 5R KO カルロス・ベラルデ
WBA世界ミニマム級タイトル戦、2013年)

(ダウンシーン)
5R:左フックでベラルデがダウン
(感想:宮崎がタイトル防衛。群馬県生まれで大阪育ちの宮崎。井岡一翔の父が経営する「井岡ジム」に15歳で入門(井岡一翔と宮崎は高校の同期だそうだ)。担当トレーナーは一翔の父である井岡一法。アマチュアではインターハイでフライ級優勝などの実績。プロ入り後は引き分けもあったが、これまで無敗(18勝(10KO)3分)。日本ライトフライ級王座、東洋太平洋ライトフライ級王座を獲得(それぞれ防衛にも成功している)。2012年12月31日、大阪府立体育会館でポンサワン・ポープラムック(元WBA世界ミニマム級王者のタイ人。八重樫東にKOされて世界王座の初防衛に失敗)とWBA世界ミニマム級王座決定戦を行い、2-1の判定勝ちで世界王座獲得。そしてメキシコのベラルデと初防衛戦。セコンドには井岡一法・弘樹の兄弟。WBA7位のベラルデは22勝(13KO)2敗1分。WBCのユース王座、地域王座を獲得している。体格、戦い方が似ている両者。1Rから接近戦。ジャブ、右フック、左ボディ打ち。時折サウスポーにスイッチするベラルデ。宮崎はガードを下げたりしながら相手を挑発。5R、右フックからの左フックでベラルデがダウン。倒れたベラルデの姿を見てレフェリーはすぐさま試合を止めた。宮崎が強烈な左フックで快勝。打ち方とディフェンスが井岡一翔とよく似ていた印象。ベラルデは良い選手ではあったが、「中途半端にスイッチする選手は攻めも中途半端」のパターン。攻撃をディフェンスされた。後、ベラルデはドニー・ニエテスのWBO 世界ライトフライ級タイトルに挑戦したが、敗北。世界王座を獲得することはできなかった。)

宮崎亮 12R 判定 ヘスス・シルベストレ
WBA世界ミニマム級王座統一戦、2013年)

(感想:宮崎がタイトル統一。正規王者の宮崎。暫定王者シルベストレ(メキシコ。27勝(20KO)3敗)と「統一戦」。本来なら「暫定王座」などというものは必要ないが、「実力ある選手にベルトを持ってもらいたい」というWBAの「営業戦略」として存在理由がある。それはともかく試合開始。リングサイドでは宮崎の母が息子の試合を見守る。ガードを上げてジャブを飛ばすシルベストレ。アッパー気味の右フック、左ボディ打ち。宮崎は右フック、右ストレートからの左フックといったコンビネーション。共にワンツー、ボディ攻撃、左のパンチを中心とした連打。一発ずつパワーを込める打ち方をする。2Rのバッティングにより左目のキズが悪化していく宮崎。5Rにもバッティング。9R、両目が腫れていく宮崎がフットワークを使って相手と距離を取る。一進一退のまま12R終了。判定は極めて僅差の2-0。映像ではどっちが勝ったとは言い難い内容。ワンツーからの左フックといったコンビネーションを使う分、宮崎がポイントを取ったのではないかと思われる。かなり厳しい試合となった宮崎。階級を上げるため、WBA世界ミニマム級王座を返上。)

ファーラン・サックリンJr 3R TKO 宮崎亮
ライトフライ級戦、2013年)

(ダウンシーン)
3R:フック連打で宮崎がダウン
(感想:宮崎の世界前哨戦。相手はタイのファーラン(父のファーラン・サックリンは元IBF世界ミニフライ級(現:ミニマム級)王者)。これまで22勝(14KO)2敗。似た戦い方をする二人。警戒しながら共にジャブ。1R終了間際、左フックのカウンターで宮崎がピンチ。キレのある右ストレート、左フックを打つファーラン。宮崎は得意の右を出すが、ディフェンスされてしまう。3R、フック連打で宮崎がダウン。立ったが、レフェリーは試合を止めた。ファーランが快勝。スラリとした体型から繰り出すシャープなジャブ、ストレートが印象的だった。宮崎はコンディションが良くなかったという。1Rに左フックを食うまではいつものような動きをしていたように見えたが。ファーランは次の試合で新鋭の井上拓真(井上尚弥の弟。後にWBC世界バンタム級暫定王座を獲得)に判定負け。IBFの地域王座は獲得できたが、世界王座にはまだ手が届いていない。)

宮崎亮 5R KO イカル・トビダ
ライトフライ級戦、2014年)

(ダウンシーン)
5R:右フックでトビダがダウン
(感想:トビダはインドネシアの選手。インドネシアライトフライ級王座を獲得しているが、敗北も多く、直前の試合ではソニー・ボーイ・ハロ(あのポンサクレックを豪快にKOしたフィリピン人)にTKO負けしている。1R、トビダがブロックしながらジャブ、そして思い切った打ち方で右ストレート、左フック。宮崎はテンポ良くジャブを連打し、ワンツー、左フック。トビダは左フックからの右ストレートといったコンビネーションを使うが、宮崎はディフェンス。5R、両者とも連打で攻め、勝負に出る。強烈な右フックでトビダがダウン。ダウンのダメージと負傷により、レフェリーは試合を止めた。トビダは力強いパンチを打っていたが、宮崎がディフェンスとタイミングのいい右フックで勝利。なかなか良い勝ち方をした宮崎だが、後、田口良一の持つWBA世界ライトフライ級王座に挑戦して3-0の判定負けで二階級制覇ならず(2016年8月31日)。日本ボクシングコミッションJBC)に引退届を提出。所属ジムを変えてカムバック。再び大きなタイトルを獲得することができるかどうか、といった状況。)

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