「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「ゴッドレフト(神の左)」山中慎介②

WBC世界バンタム級王者。左強打が武器のサウスポー。強豪との世界王座防衛戦「vs. ビック・ダルチニアン」「vs. マルコム・ツニャカオ」「vs. ホセ・ニエベス」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

山中慎介 12R 判定 ビック・ダルチニアン
WBC世界バンタム級タイトル戦、2012年)

(感想:山中がタイトル初防衛。栄光の「WBC世界バンタム級タイトル」。長谷川穂積フェルナンド・モンティエル、ノニト・ドネアと渡り、山中慎介クリスティアンエスキベル(メキシコ)との決定戦に勝利して獲得(ドネアが王座を剥奪されたため王座決定戦になった。「ドネア vs. 山中」が実現しなかったのが残念)。元世界王者のダルチニアン。アルメニア生まれで、オーストラリアでプロデビュー。腕っぷしが自慢でこれまでIBF世界フライ級王座、WBAWBCIBF世界スーパーフライ級王座を獲得。この試合に勝ってメジャー団体の王座で三階級制覇なるか、といったところ。サウスポー同士の対戦。ボクサータイプの山中、ファイタータイプのダルチニアン。互いに警戒して手数は少な目だが、ダルチニアンが左ストレートで仕掛ける。山中は右ジャブとディフェンスでダルチニアンの攻めをかわし、10Rには右フックを決めるなどしたが、最終ラウンドは足を使ってほとんど打ち合わず。判定は3-0。無理に打ち合わず、「パンチを当てて、相手の攻撃はディフェンス」のパターンで山中が勝利。勝つことに徹底したスタイルでエキサイティングな試合ではなかったが、ムキになって打ち合わない合理的な戦い方だった。打ち合ってもらえなかったダルチニアンはさぞ拍子抜けしたことだろう。)

山中慎介 12R TKO マルコム・ツニャカオ
WBC世界バンタム級タイトル戦、2013年)

(ダウンシーン)
3R:左ストレートで2度、ツニャカオがダウン
12R:左ストレートでツニャカオがダウン
(感想:山中がタイトル防衛。トマス・ロハス(メキシコ)を下して二度目の防衛に成功した山中。三度目の相手は元WBC世界フライ級王者のツニャカオ(フィリピン。マルコムの実兄ノエル・ツニャカオは井岡弘樹が持つWBA世界J・フライ級タイトルに挑戦したことがある)。サウスポー同士の対戦。3Rに左ストレートでツニャカオを二度ダウンさせた山中。その後は一発狙いで手数が減り、逆に時折右フックを食ってしまう(山中の「攻めるときは攻め、守るときは守る」という攻防が分離した戦い方は、「相手にパンチがあって手数が多いとき」は劣勢になりがち)。しかし、最終12R、左ストレートでツニャカオを倒す。ツニャカオは何とか立ったが出血が激しく、レフェリーは試合を止めた。ツニャカオにはパワーがあり、その強打を食う危ないシーンもあったが、山中が最大の武器である左ストレートで勝利。)

山中慎介 1R KO ホセ・ニエベス
WBC世界バンタム級タイトル戦、2013年)

(ダウンシーン)
1R:左ストレートでニエベスがダウン
(感想:山中がタイトル防衛。四度目の防衛戦。山中はこれまで18勝(13KO)2分で、30歳。プエルトリコニエベスWBC8位。22勝(11KO)2敗3分で、32歳(軽量級はスピードが勝負のため若い選手同士で行われることが多いが、30過ぎの選手同士の世界王座戦は2000年代に入って珍しくなくなった)。デビュー以来、無敗を続けたが、IBAバンタム級王座戦で判定負け。その後はWBOの地域王座を獲得して防衛にも成功するなど、ここのところ連勝中。サウスポー同士の一戦(サウスポーが多いのも近年の特徴)。ジリジリ距離を詰め、山中がジャブ、左ストレート、ボディ打ちを交えたコンビネーション。ニエベスは慎重に距離を取りながらジャブ。左ストレートでニエベスがダウン。そのままカウントアウトされた。左一発であっけなく山中が防衛成功。ボクシングは真剣勝負であるから1Rで一発で終わることもあるが、ニエベスは下がり気味で、何が何でも世界王座を獲るという気力に欠けていたように見えた。世界王者を認定する団体が増え、世界王座にかつてほど値打ちがなくなったというのも覇気のないチャレンジャーが出てくる原因ではないかと思われる。後、ニエベスは三連敗してキャリアを終えた。)

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