「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「サウスポーの安定王者」渡辺二郎④

WBAWBC世界J・バンタム級王者。WBA王座防衛戦「vs. 権順天」「vs. セルソ・チャベス」、WBC王座挑戦「vs. パヤオ・プーンタラット(初戦)」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

渡辺二郎 11R 負傷判定 権順天
WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1983年)

(感想:渡辺がタイトル防衛。これまで19勝(13KO)1敗の渡辺。ランク1位の権と五度目の防衛戦。権はデビュー当初は試合数が少なかったが、次第に精力的にリングに上がるようになり、東洋太平洋J・バンタム級タイトルを獲得、防衛。これまで21勝(15KO)2敗1分。サウスポー同士の対決ではあるが、渡辺は足を使って距離を取りながらジャブ、左ストレート、権は接近して左右フックを叩きつけるスタイル。接近戦。権のフック攻撃。渡辺はディフェンス。4R、権の右フックがヒット。その後は、渡辺がジャブ、左ストレートのカウンターを細かく当てる。11R、互いに打ちに行ったところ、頭が衝突。11R終了後に負傷判定3-0。ダウンシーンは無し。権はタフでパワフルだったが、ジャブが少な目。ディフェンスされて空転するシーンが多かった。後、権は決定戦で初代IBF世界フライ級王者に。)

渡辺二郎 15R TKO セルソ・チャベス
WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1984年)

(ダウンシーン)
14R:右フックでチャベスがダウン
(感想:渡辺がタイトル防衛。六度目の防衛戦。挑戦者チャベスパナマの選手で、これまで無敗。スラリとした体型で、長いジャブ、ストレート、左のロングフックを使う。足のスタンスが広く、「懐が深い選手」という印象(同じパナマのエウセビオ・ペドロサのようなタイプ)。渡辺はジャブ、接近してボディ打ち。互いのストレートが時折ヒット。ディフェンスしながら右フックを決める渡辺だが、右目が腫れ、出血も。14R、右フックでチャベスがダウン。15R、連打でレフェリーストップ。まだ続行できそうな感じもあったが、レフェリーはストップの判断。渡辺はディフェンスが良かった。チャベスは長いリーチをやや持て余すような打ち方(接近戦は得意ではなかったようだ)。ただ、チャベスがもっと多くジャブを使っていたら逆の結果になっていた可能性も。チャベスは再起戦でフリオ・ソト・ソラノ(後、渡辺に挑戦)にTKO負け。その次の試合にもKO負けして三連敗。それが最後の試合となった。) 

渡辺二郎 12R 判定 パヤオ・プーンタラット
WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1984年)

(感想:渡辺がタイトル獲得。WBA王者の渡辺。WBC王者のパヤオ。統一戦となるはずだったが、WBAが渡辺のタイトルを剥奪したため、パヤオWBCタイトルのみが懸けられた。パヤオモントリオールオリンピック(1976年)に出場し、ライトフライ級で銅メダルを獲ったこともある。プロ三戦目で後のIBF世界フライ級王者・権順天に判定負けを喫してしまったが、九戦目でラファエル・オロノ(ベネズエラ)を下してWBC世界J・バンタム級タイトル獲得。初防衛にも成功している。大阪で行われた一戦。ジャブ、ストレートを力強く打っていくパヤオ。チャレンジャーの渡辺はジャブで前に出る。互いにディフェンスができるため、パンチがあまり当たらない。4R、パヤオの右で渡辺がダウン(しかし、レフェリーのリチャード・スティールはこれをダウン扱いせず)。パワフルに右ストレートを打ち込んでいくパヤオだが空振りが多い。渡辺の細かいパンチがヒット。12R、左ストレートを食って「ガクン」となるパヤオ。最終ラウンド終了時、パヤオは手を上げて「自分が勝った」という表情。判定は2-1。この試合でも渡辺のディフェンスの良さが目立った。判定に不満そうなパヤオ。得意の右ストレートに迫力があり、スリリングな試合となったが、右を狙いすぎだったような気がする。もっとジャブを出していたら勝っていたかもしれない。)

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