「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「世界に近づいた男」村田英次郎③ 

東洋太平洋バンタム級王者。ワンツーが武器。東洋王座戦「vs. ロナルド・スマリス」「vs. 李鍾洙」、WBA世界バンタム級王座戦「vs. ジェフ・チャンドラー(初戦)」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

村田英次郎 12R 判定 ロナルド・スマリス
東洋太平洋バンタム級タイトル戦、1980年)

(感想:村田がタイトル防衛。これまで16勝(10KO)2分の村田。五度目の防衛戦。挑戦者スマリスはフィリピンの選手で、ランク1位。23勝(6KO)2敗2分。フィリピン王座(バンタム級)を獲得した実績。似たタイプの二人。足でリズムを取ってブロックしながらジャブ、ワンツー、左フック。左フックで攻めるスマリスだが、ジャブが少ないためパンチがヒットしない。村田がジャブ、ワンツーからの左フック、左ボディ打ちなど、相手の隙を突く攻撃。11R、攻めが粗いスマリスがバッティングで減点。12R、接近戦でのもみ合い。判定は3-0。村田がテンポ良く手数を出して勝利。スマリスはバランスの良さなど良いところがある選手ではあったが、やはりジャブが少なかった。後、フィリピン・フェザー級王座も獲得。)

村田英次郎 8R KO 李鍾洙
東洋太平洋バンタム級タイトル戦、1981年)

(ダウンシーン)
7R:右フックで李がダウン
8R:ワンツーで李がダウン
(感想:村田がタイトル防衛。六度目の防衛戦。挑戦者の李はランク9位。これまで11勝(7KO)4敗1分。これが二度目の来日(初来日ではKO勝ち)。村田が初防衛戦で戦ってKOした文明安と韓国バンタム級王座を争った試合では判定負けしている。李がダッキングしながらジャブ、右ストレート、振りの大きい左フック。村田はいつものようにリズミカルな動きからジャブ、ワンツー。李の長いパンチは隙も大きい。村田がカウンター、ワンツー、左ボディなどをヒットさせる。7R、接近戦。ラウンド終了直前、右フックで李がダウン。8R、強烈なワンツーで李がダウン。立てず、KO。村田が豪快な勝利。倒したのは右パンチだったが、左ボディ打ちも板に付いてきた印象。李は悪い選手ではなかったが、隙があった。)

ジェフ・チャンドラー 15R 引分 村田英次郎
WBA世界バンタム級タイトル戦、1981年)

(感想:チャンドラーがタイトル防衛。WBA1位で未だ無敗の村田が二度目の世界挑戦。王者はこれまで25勝(12KO)1分のチャンドラー。スラリとした体型からキレのあるジャブ・ストレートを打つ男で「バンタム級トーマス・ハーンズ」といったところ。注目の無敗対決。1R、村田の右ストレートでチャンドラーがダウン寸前に。その後、チャンドラーは速いジャブとディフェンス。村田はジャブ連打からの右ストレートを狙う。5Rにも村田の右がヒット。チャンドラーは時折、右アッパーを打つ。村田は得意の右が当たらない。判定はドロー。チャンドラーは懐が深いボクシング。パンチの伸びと当てる器用さでは村田より上だったように見えた。)

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