「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「正確なカウンターパンチ」井岡一翔①

四階級制覇王者。「vs.アルバート・アルコイ」、WBC戦「vs.オーレイドン・シスサマーチャイ」「vs.ファン・エルナンデス」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

井岡一翔 9R TKO アルバート・アルコイ
ライトフライ級戦、2010年)

(感想:井岡はアマチュアの実績を引っさげてプロ入りした男。井岡弘樹の甥でもある。デビュー以来わずか4試合(2KO)であるが、三戦目で世界ランカーを下し、この試合の時点で世界を狙うポジション。アルコイはフィリピンの中堅選手で12勝(3KO)6敗3分。共に速いジャブ、右ストレート、左フック。井岡はディフェンス&ショートパンチの端正なボクシング。アルコイはトリッキーな動き&振りの大きい左フックを時折見せる。6R、激しい打ち合い。ボディを攻める井岡。アルコイの大きいパンチは空を切る。井岡の右ストレートがヒット(7R、8R)。9R、左フックを食ってグラついたアルコイ。ワンツーを打たれたところでレフェリーストップ。井岡が正確なパンチで勝利。ただ、ダウンを奪えなかったように「パワーの方はもう一つ」という印象。井岡が後に力強い勝利で世界を獲得するとはこの当時は思わなかった(個人的に)。)

井岡一翔 5R KO オーレイドン・シスサマーチャイ
WBC世界ミニマム級タイトル戦、2011年)

(ダウンシーン)
2R:左フックでオーレイドンがダウン
5R:左ボディフックでオーレイドンがダウン
(感想:井岡がタイトル獲得。オーレイドンはこれまで39勝(14KO)1分のサウスポー。WBC10位の井岡は日本ライトフライ級王座を獲得するなど、6戦全勝(4KO)。試合数の差が圧倒的な無敗対決。オーレイドンのセコンドにはポンサクレック、井岡には叔父の井岡弘樹がつく。慎重にジャブを使う井岡。オーレイドンはカウンター狙い。2R、オーレイドンがダウン。5R、打って出るオーレイドンだが、左ボディフックを食ってダウン、KO。井岡がキャリアのある相手に圧勝。オーレイドンはこれまで相手に攻めさせてカウンターを取るパターンで勝ってきたが、相手が慎重だと自分の手数も少な目に。攻めていったところを逆に打たれてKO負け。負けたのは過酷な減量だけではなく、普段の消極的なスタイルが原因だったのではないかと思われる。)

井岡一翔 12R 判定 ファン・エルナンデス
WBC世界ミニマム級タイトル戦、2011年)

(感想:井岡がタイトル初防衛。エルナンデスWBC1位のメキシカン。これまで18勝(13KO)1敗。北米ミニマム級王座を獲得しており、WBC王座を長期に渡り防衛したリカルド・ロペスに構え方と足の使い方が似ている。共にガード。井岡がジャブ連打、右ストレート。エルナンデスは左が得意。左ジャブを使いながら、左フックをダブル、トリプルで放ち、時折アッパー気味の右フックを突き上げる。素晴らしい素質を持つエルナンデスだが、頻繁にサウスポーにスイッチ。7Rには右カウンターを決めたエルナンデス。しかし、試合全般では井岡が右ストレート、左フックをヒットさせてポイント的に優勢。判定は3-0。井岡がディフェンスとパンチの正確さで勝利。特に右のパンチが効果的だった。残念だったエルナンデス。世界王者になってもおかしくないパンチをちゃんと持っていた。個人的にスイッチヒッターはあまり好きではない。スイッチして強いパンチが打てるのなら良いが、エルナンデスは単に相手を惑わそうとするだけのもの。ほとんど意味が無かったうえに、それはディフェンシブな行為。実際、エルナンデスリカルド・ロペスとは違って相手を倒しに行くような攻めをあまりしなかった。そんなエルナンデスだが、後に王座決定戦でWBC世界フライ級タイトルを獲得(2017年3月4日)。しかし、初防衛戦でウェートオーバーにより王座剥奪。試合の方も比嘉大吾にTKO負けだった。)

この続きはcodocで購入
----------------------------- A8 net広告