「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

令和のボクシング⑧(2024年10月、世界王座戦:矢吹正道、岩田翔吉、中谷潤人)

「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」「シベナティ・ノンシンガ vs. 矢吹正道」「岩田翔吉 vs. ハイロ・ノリエガ」「中谷潤人 vs. ペッチ・ソー・チットパッタナ」を紹介します。

矢吹正道 9R TKO シベナティ・ノンシンガ
IBF世界ライトフライ級タイトル戦、2024年10月12日)
(ダウンシーン)
8R:右ストレートでノンシンガがダウン
9R:右フック、右ストレートで2度、ノンシンガがダウン
(感想:矢吹がタイトル獲得。2位の挑戦者、矢吹は元WBC王者。寺地拳四朗からTKO勝ちでWBC王座を奪ったが、KOで奪回された。IBF王座挑戦者決定戦に勝利して、この挑戦。王者ノンシンガは南アフリカの黒人。ニックネームは「Special One(特別な存在)」。IBFインターナショナル王座(ライトフライ級)などを獲得後、決定戦でIBF王者に。一度は王座を奪われたが、奪回。矢吹戦は奪回した王座の初防衛戦となる。愛知県国際展示場での一戦。共にガードを上げて相手を警戒しながらジャブ、右ストレート。矢吹は攻撃が多彩。意表を突くタイミングでフック、右カウンター。そして左フックからの右ストレート、右ストレートからの左ジャブ、右フックからの左ボディ打ちといったコンビネーション。ノンシンガは正統派であるが、動きのスピードに欠けるため攻撃をディフェンスされる。ただ、右フックにはパワーがある。互いにディフェンス。5R、矢吹が右カウンター。当てる巧さで矢吹が優勢。8R、連打からの右ストレートでノンシンガがダウン。9Rにも右パンチで二度のダウン。二度目のダウンと同時にレフェリーは試合を止めた。矢吹がコンビネーションで勝利。ノンシンガはスピードに欠けるうえに正直なボクシング。矢吹に動きを読まれたようだ。)

岩田翔吉 3R TKO ハイロ・ノリエガ
WBO世界ライトフライ級王座決定戦、2024年10月13日)
(ダウンシーン)
3R:右アッパー、左フックで2度、ノリエガがダウン
(感想:岩田がタイトル獲得。1位の岩田と2位ノリエガによる決定戦。岩田は「帝拳」所属。格闘技を始めたのは9歳の時。プロデビューは2018年。カリフォルニアでTKO勝ち。以後は日本で。日本王座、OPBF王座、WBOアジア太平洋王座(すべてライトフライ級)獲得。2022年11月1日、ジョナサン・ゴンサレスプエルトリコ)のWBO世界ライトフライ級王座に挑戦して判定負け(3-0)。フィリピン人相手に四連勝で二度目の同王座挑戦。ノリエガはスペイン人。これまで全勝。欧州連合王座(フライ級)、WBCシルバー王座(ライトフライ級)などを獲得。直前の試合は初の海外試合(ニカラグアマナグア)でWBOのラティノ王座(ライトフライ級)を獲得している。有明アリーナでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。共にきびきびした動きからライトフライ級とは思えないほどパワーのあるジャブ、ワンツー、フック攻撃。左のテクニックがあるノリエガ。右フックからの左フック、左フックからの右ストレート、踏み込んで左フック。岩田は右フックでボディ打ち。互いにパワフルに打ち合う中、3R。右アッパー(&背後からのラビットパンチ)でノリエガがダウン。立ったが、効いている。左フックを食い、さらに左フックで二度目のダウン。倒れると同時にレフェリーストップ。ノリエガは試合終了後もしばらく立てないほどのダメージを負った。岩田が一瞬の隙を突く攻撃で一気に勝利。どちらが勝ってもおかしくない勝負。長い試合になるように見えたが、3Rに終わった。負けたがノリエガは実力者。また世界王座に挑戦して欲しい。)

中谷潤人 6R TKO ペッチ・ソー・チットパッタナ
WBC世界バンタム級タイトル戦、2024年10月14日)
(ダウンシーン)
6R:連打、ワンツーで2度、ペッチがダウン
(感想:中谷がタイトル防衛。三階級制覇王者、中谷の二度目の防衛戦。挑戦者ペッチ(タイ)は2018年12月に井上拓真とWBA世界バンタム級暫定王座を争って判定負けしたことがある。有明アリーナでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。共にサウスポー。互いに警戒しながらジャブ、左ストレート、右フック。かつての名王者カオサイ・ギャラクシーに目が似ているペッチはカオサイと同様、サウスポースタイルからパワーを込めた打ち方。中谷は軽く合わせるような右フック、ワンツー。力強いペッチだが攻めが単発でディフェンスされるため接近戦を選択。互いにパワーを込めたフック、ボディ打ち。6R、連打をまとめる中谷。ペッチがあっけなくダウン。立ったが、ワンツーで二度目のダウン。レフェリーは試合を止めた。中谷がディフェンス&連打で勝利。最初のダウンの連打は映像では強いパンチには見えなかったが、これまで一度もKO負けしたことがないペッチは倒れた。その前の打ち合いでボディが効いていたのかもしれない。)