「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「全試合KO勝ちで世界王者に」比嘉大吾

WBC世界フライ級王者。沖縄が生んだパワーファイター。「vs. ファン・エルナンデス」「vs. トマ・マソン」「vs. モイセス・フエンテス」「vs. クリストファー・ロサレス」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

比嘉大吾 6R KO ファン・エルナンデス
WBC世界フライ級タイトル戦、2017年)

(ダウンシーン)
2R:左フックでエルナンデスがダウン
5R:左フックでエルナンデスがダウン
6R:ボディ連打、右アッパー、右アッパー、連打で4度、エルナンデスがダウン
(感想:比嘉がタイトル獲得。沖縄出身の比嘉。元々は野球少年だったが、具志堅用高の現役時代の映像を見てボクサーに。身長161cmと小柄なため、野球を諦めたのは正解だったかもしれない(WBA世界J・フライ級王者だった柳明佑も子供の頃は野球とサッカーをやっていたが、背が低いためボクシングを選んだ)。プロ入り後は連戦連勝で全てKO勝ち(12KO)。WBCフライ級ユース王座、東洋太平洋フライ級王座をこれまで獲得。「白井・具志堅スポーツジム」に所属。セコンドに具志堅がつく。王者エルナンデスはメキシカンで36勝(26KO)3敗。井岡一翔WBC世界ミニマム級王者だった頃に挑戦し、判定負けを喫したが、WBC世界フライ級王座を決定戦で獲得。これが初防衛戦。ところが、前日計量で体重超過、王座剥奪。比嘉が勝てば新王者、エルナンデスが勝てば王座は空位、という条件で行われることとなった。フットワークで距離を取りながらジャブを出すエルナンデス。比嘉はジャブで前進し、距離を詰める。エルナンデスが速いワンツー、突き上げるようなアッパー気味の左フックを使うが、比嘉はブロック。頻繁にサウスポーにスイッチするエルナンデス。2R、左フックを合わされてダウン。5R、ロープ際での左フックでダウン。6R、ボディ連打、右アッパー、(マイク・タイソン風の)右ボディからの右アッパー、連打で四度ダウン、試合終了。比嘉が攻める姿勢&ブロックで勝利。KOが多い選手は強引なところがあったりするものだが、「当てる勘」がある比嘉はしっかりディフェンスしながら強打をキレイに決めた。エルナンデスは左のテクニックがあり器用ではあったが、パンチが軽かったか、ブロックされた。井岡に負けたときと同様、中途半端にスイッチしたり、受け身の姿勢だった。)

比嘉大吾 7R TKO トマ・マソン
WBC世界フライ級タイトル戦、2017年)

(ダウンシーン)
7R:左ジャブでマソンがダウン
(感想:比嘉がタイトル防衛。比嘉の初防衛戦。WBC5位のマソンはフランスの選手で、欧州フライ級王座を獲得したことがある。リングアナはジミー・レノン・ジュニア。1R、共にガードを上げて速いジャブ、左フック。ワンツー、左フックが力強いマソンだが、比嘉はブロックしながらボディ連打からのアッパーなどのコンビネーション。6R、連打されてマソンの動きが止まる。7R、左ジャブでマソンが片膝をキャンバスに着くダウン。ドクターチェックを受け、右目の負傷によりマソンが棄権、試合終了。比嘉がディフェンスと手数(ボディ&アッパー)で勝利。マソンは良いパンチを持っていたが、比嘉のブロックは固かった。)

比嘉大吾 1R TKO モイセス・フエンテス
WBC世界フライ級タイトル戦、2018年)

(ダウンシーン)
1R:右ボディストレートでフエンテスがダウン
(感想:比嘉がタイトル防衛。沖縄で行われた比嘉の二度目の防衛戦。WBC9位のフエンテスはメキシコの選手で、これまで25勝(15KO)4敗1分。WBO世界ミニマム級王座、WBO世界ライトフライ級暫定王座を獲得しているが、ドニー・ニエテス、田中恒成にTKO負けしており、勢いのある状況ではない。比嘉よりも背が高いフエンテス(169cm)。右ストレート、左右フック、ボディ打ちが力強い印象。ただし、動きのスピードはそれほどでもない。ピンクのトランクス&グローブの比嘉はジャブ、左ボディ。右フックでグラつくフエンテス。右ストレートをボディに食ってダウン。自分からマウスピースを吐き出してレフェリーストップ。フエンテスはストップに不満そうだったが、「マウスピースを自ら出す」行為は「棄権」と見なされても文句は言えない。比嘉の動き、パンチのキレが良かった試合。セコンドの友利正(沖縄出身。現役時代と比べると丸っこい顔になった印象)も嬉しそうな表情だった。)

クリストファー・ロサレス 9R TKO 比嘉大吾
WBC世界フライ級タイトル戦、2018年)

(感想:ロサレスがタイトル獲得。これまで15戦全勝(15KO)の比嘉。横浜アリーナで三度目の防衛戦。ところが計量に失敗し、王座剥奪。どうやら試合の間隔が短かったため、コンディションを作れなかったらしい。WBC2位ロサレスはニカラグアの選手で26勝(17KO)3敗。WBCの地域王座、インター王座(フライ級)を獲得。あのローマン・ゴンサレスの親戚でもある。リングアナはジミー・レノン・ジュニア。試合開始。比嘉よりも背が高いロサレス(169cm)。ジャブ、ワンツー、左フック。しかしながら、動きのスピードはそれほどない。比嘉はブロックしながら左を当てようと前進。接近戦。互いにボディ攻撃。打ち合う比嘉だが、6Rに右アッパーを入れられるなど、微妙に打たれる。9R、軽いパンチを比嘉が連続して打たれたところでコーナーから棄権の申し入れ。残念な形で敗北を喫した比嘉。手数は出ていたが、やはりコンディションが悪かった様子。KOにこだわっていたのか、それとも計量に失敗した負い目があったためいいところを見せようとしたのか、比嘉はよく攻めた。ジャブを使いながらスタミナを温存する戦い方はできなかったのだろうか? 初黒星後は不安定なキャリアになってしまった比嘉。底力がある選手であるのは間違いないところ。)

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