「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

令和のボクシング⑥(東京・両国国技館:田中恒成、中谷潤人、井上拓真)

「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」「田中恒成 vs. クリスチャン・バカセグア」「アレハンドロ・サンティアゴ vs. 中谷潤人」「井上拓真 vs. ヘルウィン・アンカハス」を紹介します。

田中恒成 12R 判定 クリスチャン・バカセグア
WBO世界スーパーフライ級王座決定戦、2024年)
(ダウンシーン)
8R:連打でバカセグアがスタンディングダウン
(感想:田中が四階級制覇。これまで19勝(11KO)1敗の田中(WBO1位)。WBOミニマム級ライトフライ級、フライ級王座を獲得してきた三冠王。四階級制覇を狙って井岡一翔WBO世界スーパーフライ級王座に挑戦したが、攻めすぎて逆にKO負け。改めて四つ目のベルトを狙う。バカセグア(WBO2位)はメキシカンで22勝(9KO)4敗2分。ニックネームは「Rocky」。NABO王座(フライ級)に挑戦したときは判定負け。WBOの地域王座(スーパーフライ級)を決定戦で獲得、防衛。このところ連勝中で、初の世界挑戦。中谷潤人が返上した王座の決定戦。試合地は東京・両国国技館。共にガードを上げてリズミカルな動きからジャブ、右ストレート。バカセグアはなかなか思い切りのいいボクシングをする男。パワーを込めてワンツー、左ボディ打ち、右フックからの左フック。右ストレートからの左ジャブといったテクニックも使う。田中はディフェンス(ダッキングブロッキング)、パンチの正確さで勝負。5R、バッティングでバカセグアが負傷。田中は右ボディフックに良さ。その後も田中は機敏な動き。8Rには連打でバカセグアにスタンディングカウントを聞かせ、11R、12Rには右ストレートで優勢。12R終了。判定は3-0。試合運びが上手くなった田中。井岡戦にように闇雲に突っ込むのではなく、しっかり距離を取って正確な攻撃。接近戦でも良いパンチを打っていた。バカセグアも悪くはなかった。パンチの振りが大きいため隙があったが、世界王座を狙う選手にふさわしい積極さがあった。パンチの精度を上げれば世界王座獲得の可能性もあると思われる。)

中谷潤人 6R TKO アレハンドロ・サンティアゴ
WBC世界バンタム級タイトル戦、2024年)
(ダウンシーン)
6R:左ストレート、右フックで2度、サンティアゴがダウン
(感想:中谷が三階級制覇。これまで26戦全勝(19KO)の中谷(WBC1位)。WBO世界フライ級王座、WBO世界スーパーフライ級王座に次ぐ三つ目の王座を狙う。王者サンティアゴは28勝(14KO)3敗5分のメキシカン。IBF世界スーパーフライ級王座に挑戦したときは引き分けで王座獲得ならず。ラスベガスでノニト・ドネアとWBC世界バンタム級王座決定戦を行い、判定勝ちで王座獲得。中谷戦は初防衛戦となる。東京・両国国技館での一戦。髪を金髪に染めてヒゲが黒いサンティアゴ。中谷は広告でいっぱいのトランクス。ゴング。サウスポーの中谷。相手を警戒しながら距離を取って右ジャブ、左ストレート。サンティアゴは右ストレートを狙う。中谷がポイントを取る展開。サンティアゴはサウスポーが苦手なのか上手く攻められず、攻撃が単発に終わる。5R、中谷がボディ連打からの左ストレート。6R、左ストレートでサンティアゴがダウン。立ったが、右フックで二度目。今度も立ったが、レフェリーストップ。中谷が快勝。パンチは軽いが、当てる巧さがあった。サンティアゴは正直なところイマイチな世界王者。右パンチに威力がありそうだったが、攻めが単調で攻撃のバリエーションが少なすぎた。)

井上拓真 9R KO ヘルウィン・アンカハス
WBA世界バンタム級タイトル戦、2024年)
(ダウンシーン)
9R:右ボディフックでアンカハスがダウン
(感想:井上がタイトル初防衛。これまで18勝(4KO)1敗の王者井上(井上尚弥の弟であることは説明不要)。決定戦でWBA王座を獲得し、これが初防衛戦。WBA9位の挑戦者アンカハスはフィリピンのサウスポー。34勝(23KO)3敗2分。IBF世界スーパーフライ級王座を獲得して9度の防衛に成功したが、10度目の防衛戦で判定負け、王座陥落。リマッチにも敗れ、王座奪回ならず。階級を上げて井上に挑戦。東京・両国国技館での一戦。井上がリング入場。兄尚弥がWBAベルトを掲げ、セコンドには父真吾、付き添いで大橋秀行会長。ゴング。基本形が兄尚弥に似ている井上。ガードを高めに上げてジャブ。アンカハスもジャブ。互いに警戒し、ディフェンス。中間距離でストレートを狙う。ワンツー、左フックにパワーがある井上。アンカハスは踏み込んでのワンツーに威力。3R、井上の右カウンターがヒット。接近戦。互いにボディ打ち。打撃戦が続く中、8Rに井上の左フックがクリーンヒット。9R、打ち合い。右ボディでアンカハスがダウン。ヒザをキャンバスに着いたままカウントアウト。井上が力強い勝利。これまで世界戦では全て判定決着だったが、初めてのKO。元々パワーがあるため、倒すコツをつかんだら面白い存在になるだろう(WBC王者中谷との統一戦に期待)。アンカハスは左パンチにパワー。しかし、「フィリピン人はボディが弱い」という定説を覆すことはできなかった。)

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