「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

令和のボクシング⑤(ユーリ阿久井政悟、那須川天心、寺地拳四朗)

「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」「ユーリ阿久井政悟 vs. アルテム・ダラキアン」「那須川天心 vs. ルイス・ロブレス」「寺地拳四朗 vs. カルロス・カニザレス」を紹介します。

ユーリ阿久井政悟 12R 判定 アルテム・ダラキアン
WBA世界フライ級タイトル戦、2024年)
(感想:阿久井がタイトル獲得。WBA1位の挑戦者、阿久井(28歳)はこれまで18勝(11KO)2敗1分。本名は「阿久井政悟」。あのユーリ・アルバチャコフに顔が似ているということからリングネームに「ユーリ」を借用。普通、そういう場合は「ユーリ阿久井」とか「ユーリ政悟」などと付けると思うが、「ユーリ+フルネーム」という珍しさ。中谷潤人に敗れて初黒星。その後、決定戦で日本フライ級王座を獲得して三度の防衛成功。このところ連勝中で初の世界挑戦。王者アルテム・ダラキアン(36歳)はウクライナの選手。アゼルバイジャン・バクー出身。これまで22戦全勝(15KO)。WBAのインター王座などを獲得、防衛後、決定戦でWBA王者に。これが七度目の防衛戦で、約一年ぶりの試合となる。エディオンアリーナ大阪での一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。ナジーム・ハメドのようなトリッキータイプのダラキアン(顔立ちもハメド似)。左のガードを下げた構えから左ジャブ。距離を取りながら意表を突くかのようなタイミングで左フック。パワーが乗らない打ち方ではあるが、パンチにはキレがある。阿久井は基本的な正統派。ガードを上げてジャブ、右ストレート、左フック。アウトボクシングのダラキアン、前に出る阿久井。3Rにバッティング(試合前の記者会見でも)。打っては距離を取ったりクリンチしたりのダラキアン。阿久井は攻めるが、逃げられて単発に終わる。その流れで12R終了。判定は3-0。共に決定打を欠いたが、阿久井の攻める姿勢が評価されたか。試合後、ダラキアンは「(この敗北は)時の流れ(による自身の衰え)」と語ったが、この人は普段からこういう戦い方なのだと思われる。個人的にはパワーが乗らない打ち方をする選手は好みではない。ハメドに似た試合ぶりだったが、ハメドはトリッキーながら腕力もあった。一方の阿久井。世界王座を獲ったが、試合内容はそこそこ。これから王者としてどんな試合を見せるかで評価が決まりそう。顔もユーリには似ていない。「ユーリ」などという他人の名を使わずに本名のみで勝負するのが良いと思うがどうだろう?)

那須川天心 4R TKO ルイス・ロブレス
スーパーバンタム級8回戦、2024年)
(感想:那須川(帝拳)のプロボクシング三戦目。これまで二連勝だが、いずれも判定勝ち。今回は? ロブレスはメキシカンで15勝(5KO)2敗1分。直前の試合ではWBCの地域王座(バンタム級)に挑戦してドロー。まだ、王座を獲ったことがない。エディオンアリーナ大阪での一戦(那須川のセコンドには世界二階級制覇のサウスポー、粟生隆寛)。慎重に足で距離を取って右ストレートを狙うロブレス。那須川はフットワークは少な目で右ジャブ。そして踏み込んで左ストレート、左ボディ打ち。ロブレスは右パンチに力を込めるが単発で空転。那須川も強いパンチを打っているが単発でフォローのパンチが無い。攻めの姿勢で那須川が優勢。3R終了後にロブレスが棄権。右足を痛めたらしい(特に足を痛めるようなシーンは無かったように見えたが)。那須川が追い込む姿勢で勝利。しかし、攻撃が単発。ファンが期待しているような「ダウンを奪ってのKO勝ち」ではなかった。強いパンチを交えたコンビネーションを使えるようになるにはまだまだ練習、経験が必要と思われる。)

寺地拳四朗 12R 判定 カルロス・カニザレス
WBAWBC世界ライトフライ級タイトル戦、2024年)
(ダウンシーン)
2R:右フックでカニザレスがダウン
3R:右ストレートで寺地がダウン
(感想:寺地がタイトル防衛。これまで22勝(14KO)1敗の統一王者、寺地(32歳)。挑戦者カニザレス(30歳)はベネズエラの選手で元WBA王者。田口良一、小西伶弥と日本で試合をしたことでその実力は日本でもおなじみ。26勝(19KO)1敗1分。王座陥落後はWBAの地域王座を獲得、防衛。直前の試合は「WBA王座挑戦者決定戦」として行われ、負傷判定勝ち。エディオンアリーナ大阪での一戦。いつものようにジャブから入る寺地。カニザレスはガードを上げてジャブ。右に自信があるらしく思い切った右ストレート。ショートの左フックにもパワー。共に機敏な動きでディフェンス(ブロック、ダッキング)。2R、右フックでカニザレスがダウン(倒れまいと頑張ったカニザレス。寺地を押し倒して一緒に転倒)。攻める寺地。カニザレスは距離を取る。3R、左フックを食った寺地。右ストレートでダウン。これでカニザレスの自信が回復。その後、中間距離で打ち合いが続く。互いのパンチがヒット。寺地は隙を突く巧さ、カニザレスはパワー。7R、右を打たれてのけぞる寺地だが、ボディ打ちで反撃。終盤、右パンチで攻めるカニザレス。寺地は足を使ってアウトボクシング。12R終了。カニザレスがセコンドにかつがれ、両手を上げて自身の勝利を確信。判定は極めて僅差の2-0。なかなか厳しい防衛戦となった寺地。パワーでは負けていたが、当てる巧さ、攻撃のバリエーションの多さでわずかに上回った。カニザレスは打たれても打ち返すなど強かったが、やや受け身。自分から試合をリードするような試合運びをしていたら勝っていたかも。再戦の可能性もありそうだが、寺地は興味ないらしい。)

辰吉寿以輝 8R 判定 与那覇勇気
スーパーバンタム級8回戦、2024年)
(感想:辰吉丈一郎の次男、寿以輝。プロデビュー以来、14勝(10KO)1分。負け無しであるが王座戦の経験はまだ無し。コブシも痛めているらしい。沖縄出身の与那覇は13勝(8KO)5敗1分で、日本バンタム級10位。コチラもまだ王座戦の経験無し。「那須川天心のデビュー戦の相手」として知られている。エディオンアリーナ大阪での一戦(会場では辰吉夫妻が観戦)。似たタイプの二人。ジャブ、右ストレート、左フック。共にジャブ、ストレートに良さ。しかしながら、辰吉には真っ直ぐ攻めるクセがあり、ディフェンスに隙がある。左フックは腰が入っておらず、手打ち気味。与那覇は攻めるときは攻め、守るときはブロックに専念する「攻防分離」型。辰吉が手数でやや優勢。4Rには連打を見せる。与那覇は左ボディ打ちに強さがあり、当たらないが右アッパーには迫力がある。8R終了。判定は僅差の2-0。辰吉は何らかのタイトルが欲しいようだが、左フックを改善しない限りそれは難しそう。与那覇は攻めながら防御するテクニックが必要だろう。)

「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」への支援をお願いします。

この続きはcodocで購入
----------------------------- A8 net広告