「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「右強打のロシア人」ユーリ・アルバチャコフ③

WBC世界フライ級王者。強打で世界王座を防衛。「vs. ムアンチャイ・キティカセム(再戦)」「vs. イサイアス・サムディオ」「vs. 車南勲」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

ユーリ海老原 9R KO ムアンチャイ・キティカセム
WBC世界フライ級タイトル戦、1993年)

(ダウンシーン)
7R:ワンツーでムアンチャイがダウン
9R:ワンツー、右ストレート、右ストレートで3度、ムアンチャイがダウン
(感想:ユーリがタイトル防衛。タイで行われた再戦。前王者ムアンチャイがWBC3位として挑戦。試合前にトラブル。試合のリングが(事前の合意と違って)柔らかい、ユーリのコンディションに悪影響を与えかねないような嫌がらせ、など(タイのボクシング界はこういうことをするということで当時は評判が非常に悪かった。ずるいことをしてまで勝ちたいのだろうか? 今日でも勝つためにドーピングをするアスリートが後を絶たないが、不正をする者たちは精神的に同じような心理の持ち主なのかもしれない)。会場ではガッツ石松が観戦。TV解説は花形進。試合開始。共に速いジャブ、キレとパワーのある右ストレート、左フック。ユーリは足でリズムを取りながら距離を詰めてワンツー。ムアンチャイは距離を取ってジャブ。互いにディフェンスし警戒するため、クリーンヒットは少な目。5Rあたりから前に出るムアンチャイ。7R、非常に速いワンツーでムアンチャイがダウン。攻めるユーリだが、7R終了のゴングが30秒ほど早く鳴った。8Rも攻めるムアンチャイだが、ユーリがジャブ、ストレート、左フックでカウンターする。9R、ワンツーでムアンチャイがダウン。左フックからの右ストレートで二度目。最後は右ストレートでムアンチャイが吹っ飛んで試合終了。ユーリがフライ級とは思えないパワーで快勝。ムアンチャイとしては挑戦者なのだから攻めないといけないと思ったのだろうが、ユーリの強烈なカウンターのえじきとなった。試合前はリングが柔らかいためフットワークを使うユーリに不利なのではないかと思われたが、そういった悪影響はあまり感じられなかった。むしろ足で距離を取りたいムアンチャイの方が不利だったかもしれない。またレフェリーが信頼できる国際的な人物(リチャード・スティール)だったこともユーリにとっては好都合だった。)

ユーリ・アルバチャコフ 12R 判定 イサイアス・サムディオ
WBC世界フライ級タイトル戦、1993年)

(感想:ユーリがタイトル防衛。「ユーリ海老原」改め「ユーリ・アルバチャコフ」。これまで15戦全勝(13KO)。サムディオはメキシコ出身でアメリカ国籍の選手。身長は153cmと小柄で33勝(10KO)3敗1分。KO数は少ないが北米フライ級王座、WBA米大陸フライ級王座を獲得している。フットワークを使いながら時折連打して右を当てようとするサムディオ。小さい分、動きが素早く、ディフェンスもできる。ユーリはいつものようにディフェンスしながらジャブ、ワンツーを使うが、動き回るサムディオを捕らえることができず、打たれるシーンも(5R、7R、11R、ほか)。共に決定打を欠く展開で12R終了。判定は3-0。ユーリのパワーが評価されたか。サムディオはよく動いたが、王者を圧倒したとは言い難い内容。ユーリはやりにくい相手に手こずった。これまで相手を倒しまくってきたが、世界には巧い選手がたくさんいる。良い経験になったのでは?)

勇利アルバチャコフ 12R 判定 車南勲
WBC世界フライ級タイトル戦、1993年)

(感想:ユーリがタイトル防衛。「ユーリ・アルバチャコフ」改め「勇利アルバチャコフ」(日本のボクシング界はよくこういうことをする。外国人ボクサーの名に漢字を入れて日本風にする。興行上の理由だと思われるが、効果はあるのだろうか?)。韓国人の挑戦を受ける。車はWBC4位で、これまで22勝(13KO)1敗1分。のらりくらりとした動きから意表を突くようなタイミングで右ストレート、左フックを打つ。ユーリはいつものようにディフェンス&リズミカルなワンツー。5Rに右ストレート、左ボディを決めたユーリだが、6R、7Rに車も右ストレート、左ボディ攻撃でねちっこく反撃。9R、激しい打ち合い。ユーリのマウスピースが落下。終盤はユーリがパンチの正確さと強打で優勢。11Rにスリップ気味ながら左フックで車をダウンさせる。判定は3-0。なかなかタフだった車。ユーリは右目が腫れるなど、結構打たれた。車がもっとリズミカルに攻撃できる選手だったら逆の結果になっていたかもしれない。)

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