「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「正確な強打でスピード出世」田中恒成①

WBOで世界三階級制覇。世界ミニマム級戦「vs. フリアン・イエドラス」「vs. ビック・サルダール」、世界ライトフライ級戦「vs. アンヘル・アコスタ」「vs. パランポン」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

田中恒成 12R 判定 フリアン・イエドラス
WBO世界ミニマム級王座決定戦、2015年)

(感想:田中がタイトル獲得。岐阜県出身の田中。「SOUL BOX畑中ボクシングジム」所属(元WBC世界J・フェザー級王者・畑中清詞のジム)。兄もボクサーの「ボクシング兄弟」(兄・亮明はアマチュアボクサー。2020年東京五輪フライ級銅メダリスト)。子供の頃は空手をやっていたが、ボクシングの道へ。アマチュアで高校4冠。プロ入り。デビュー戦の相手は世界ランカー(勝利)。プロ四戦目で東洋太平洋ミニマム級王座獲得。そして「WBO2位」として、この五戦目での世界王座戦(この決定戦は高山勝成が王座を返上したことにより行われることになった)。まるでムエタイで実績のあるタイ人が国際式に転向して短期で世界獲りを狙うようなキャリア。イエドラスはWBO1位のメキシカン。戦績が良く(敗北が一つ)、WBCのユース王座を獲得している。左のガードをやや下げた構えからジャブを連打する田中。イエドラスはガードを上げてブロックしながらジャブ、ワンツー、左フック、右アッパー。2R、左フックからの右ストレートでイエドラスが後退。接近戦。ガードを固めて手数を増やすイエドラスだが、田中が連打でポイントを取っている印象。判定は3-0。田中が当てる巧さとディフェンスで勝利。イエドラスは最後まで前に出るなど、終始攻めの姿勢でなかなか強かった。しかしながら、「BOXREC」によると田中戦後は全敗。KO負けも多い。そんなに負けるような選手ではないはずだが、戦う意欲が落ちたのかもしれない。)

田中恒成 6R KO ビック・サルダール
WBO世界ミニマム級タイトル戦、2015年)

(ダウンシーン)
5R:ワンツーで田中がダウン
6R:左ボディフックでサルダールがダウン
(感想:田中がタイトル初防衛。サルダールはフィリピンの選手。直前の試合ではWBOアジア太平洋ミニマム級王座を獲得している。似たようなタイプの二人。ガードを上げて慎重な姿勢からジャブ、ワンツー、左フック、ボディ打ち。互いにディフェンス。バランスもいい。3R、サルダールの右ストレートがヒット。手数で応戦する田中。5R、ワンツーで田中がダウン。しかし、6R、ロープ際での左ボディでサルダールがダウン。立てず、KO。サルダールはなかなかの強さと巧さ。田中は苦戦しそうな雰囲気もあったが、最後はワンパンチKO。確かに田中は序盤からボディを打っていたが、一発で終わるとは。実力者イエドラス、サルダールに勝利し、田中は王座返上。サルダールは後、WBO世界ミニマム級王座、次いでWBA世界ミニマム級王座を獲得。)

田中恒成 12R 判定 アンヘル・アコスタ
WBO世界ライトフライ級タイトル戦、2017年)

(ダウンシーン)
5R:右ストレートでアコスタがダウン
(感想:田中がタイトル初防衛。決定戦でモイセス・フエンテスを破りWBO世界ライトフライ級王座を獲得、二階級制覇した田中。プエルトリコのアコスタと初防衛戦。アコスタはこれまで全勝で全てKO勝ち。WBCWBOの地域王座を獲得している。名古屋で行われた試合。TVゲストにWBA王者の田口良一(後、田中と対戦)。ガードを上げる両者。アコスタが速いジャブ。田中はパワーを込めたジャブ。実に積極的なアコスタ。ワンツー、左フック、接近して左右フック連打。2Rには右ストレートをクリーンヒット。田中は左フックのボディ打ちがパワフル。5R、右ストレートでアコスタがダウン。その後は田中が攻め、アコスタが応戦する展開。パワーで田中が優勢。11R、アコスタが気合いの入った連打。判定は3-0。田中がパワー、打ち合いでも引かない気の強さで勝利。アコスタは手数が多く、強かった。後、アコスタは決定戦でこの王座(WBO世界ライトフライ級王座)を獲得。防衛にも成功している。)

田中恒成 9R TKO パランポン・CPフレッシュマート
WBO世界ライトフライ級タイトル戦、2017年)

(ダウンシーン)
1R:右ストレートで田中がダウン
9R:右ストレートでパランポンがダウン
(感想:田中がタイトル防衛。これまで9連勝(5KO)の田中。二度目の防衛戦。タイのパランポンはWBO13位で、24勝(10KO)7敗(「BOXREC」の記録とは大きく異なる。それによると敗北はデビュー戦のみ。三戦目でWBAのアジア王座を獲得し、連続防衛している実力者)。1R、共に速いジャブ。今回の田中はリズミカルな連打で勝負。パランポンはタイ人ボクサーらしい、一発ずつパワーを込めた打ち方で、ワンツー、左ボディ打ちが力強い。右ストレートで田中がダウン。その後、攻めが単発のパランポンに対し、田中はコンビネーションで攻めてポイント上、優勢に。9R、右ストレートでパランポンがダウン。立ったが、連打を浴びてレフェリーストップ。田中が回転の速いパンチで勝利。ただ、パランポンは下位ランカーにしては強く、田中はディフェンスをしていたが目が腫れた。パランポンはその後、二試合やって引退。)

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