「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「連打のJ・バンタム級」鬼塚勝也⑥

WBA世界J・バンタム級王者。厳しい試合が続いた世界王座防衛戦「vs. 林在新」「vs. タノムサク・シスボーベー(再戦)」「vs. 李承九」「vs. 李炯哲」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

鬼塚勝也 12R 判定 林在新
WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1993年)

(感想:鬼塚がタイトル防衛。林は「林小太郎」の名で日本のリングに上がっている韓国人。WBA2位で、これまで12勝(7KO)2敗。鬼塚は21戦全勝(17KO)。共にジャブ。鬼塚はワンツー。林は足を使って距離を取りながら右パンチを当てようとする。4R、林のワンツーがヒット。続く5Rにも林の右ストレートがヒットする。鬼塚は連打するがあまり当たらない。林はジャブ、右ストレートを当てるが、受け身の姿勢になるシーンも多い。12R、林がホールド、ヘディングを使いながら攻撃。判定は2-1で鬼塚。打たれてしまった鬼塚。タノムサクとの初戦のように力強いパンチは林の方が多かった印象。ただ、林は攻めないシーンも多かった。互角のラウンドは王者がポイントを取るのがボクシング界のならわし。林はもっと攻めるべきだった。)

鬼塚勝也 12R 判定 タノムサク・シスボーベー
WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1993年)

(感想:鬼塚がタイトル防衛。因縁の再戦。タノムサクはWBA1位で、これまで44勝(25KO)3敗。鬼塚が先制攻撃。ジャブ、連打、ボディ打ち。タノムサクは正確なパンチで応戦。激しい打ち合い。鬼塚は左ボディ、タノムサクは右ストレートを当てる。9R、タノムサクが右アッパーをヒットさせ、ラウンド終了ゴング後にもパンチ。10Rにも鬼塚は右ストレートを食う。判定は僅差の3-0。パンチの正確さではタノムサク。手数で何とか鬼塚が勝利。激しい打撃戦ではあったが、鬼塚はパンチをマトモに食ってしまう、タノムサクは攻め込まない、といった両者の「足りないところ」を感じた一戦だった。)

鬼塚勝也 12R 判定 李承九
WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1994年)

(ダウンシーン)
5R:左フックで鬼塚がダウン
(感想:鬼塚がタイトル防衛。WBA4位の李。これまで15勝(11KO)2敗1分のハードパンチャー。鬼塚が速いジャブを連打。李はパワーを込めてワンツー、左フック。5R、左フックで鬼塚が初めてのダウン。その後は手数で鬼塚、パワーで李、といった展開。8R、右アッパーで鬼塚がピンチ。判定は3-0。鬼塚が強打を浴びながらも手数で競り勝った。鬼塚の欠点はディフェンス。打たれてしまうため、ジャッジからすれば劣勢に見えてしまう。)

李炯哲 9R TKO 鬼塚勝也
WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1994年)

(感想:李がタイトル獲得。WBA1位の李。これまで17勝(13KO)4敗。鬼塚は24戦全勝(17KO)。共にジャブ。鬼塚は速いジャブ、コンビネーション。李は左を使いながら右を狙い、左フックでボディ攻撃。接近戦。パワフルなフック連打を見せる李。5R、左フックをマトモに食って鬼塚がピンチ。得意の右ストレート、左フックを決める鬼塚だが、パワーに差が。9R、コーナー付近に追い込まれて鬼塚が連打を浴び続ける。レフェリーのジョン・コイルは試合を止めた。打たれ続けた鬼塚。打たれても連打で挽回するパターンは今回は通じなかった。その後、網膜剥離で引退。これが最後の試合となった。鬼塚は自身のことを「強くないボクサー」と言っているそうだが、右ストレート、左ボディフックが強く、良い選手だった。

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