「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「浪速のジョー」辰吉丈一郎⑥

WBC世界バンタム級王者。天才ボクサーが二階級制覇を目指す。「vs. ダニエル・サラゴサ(初戦)」「vs. アラニス」、「vs. ダニエル・サラゴサ(再戦)」「vs. メディナ」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

ダニエル・サラゴサ 11R TKO 辰吉丈一郎
WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1996年)

(感想:サラゴサがタイトル防衛。WBC世界J・フェザー級1位の辰吉が二階級制覇を目指す。これまで12勝(10KO)2敗1分。ブランクがあるため、試合数は少ない。38歳のサウスポー、サラゴサは二階級制覇王者で51勝(25KO)7敗3分。辰吉よりもずっと前にWBC世界バンタム級王座を保持していた男(「王者」としてサラゴサは「先輩」にあたる)。1R、いきなり左ストレートを打たれて後退する辰吉。サラゴサはジャブ、ストレート、振りの大きい重そうなフック。ディフェンスも上手い。パンチを当てさせてもらえない辰吉は挑発するような動きをするが意味なし。時折、辰吉のストレート、フックがヒットするが、タフなサラゴサは倒れるどころか打ち返す。両まぶたの出血が激しくなった辰吉。11Rでストップ。サラゴサの左ストレートのカウンター、(振りが大きいにもかかわらず)正確なフック、が見事だった試合。上には上があるプロボクシングの世界。辰吉は「先輩」を超えることができなかった。)

辰吉丈一郎 10R TKO フェルナンド・アラニ
(J・フェザー級戦、1996年)

(感想:ラスベガスで行われた試合。コーナーとキャンバスには「朝日ソーラー」の宣伝。WBC世界J・フェザー級2位の辰吉。サラゴサに負けた再起戦。アラニスはメキシコの選手。ガッチリした体格で、ガードを上げてジャブ、打ち下ろすような打ち方で右ストレート、左フック。辰吉はジャブ。距離を取ろうとするアラニスを辰吉が追う。互いにディフェンス。時折、辰吉の右ストレート、左フックがヒット。10R、倒しに行く辰吉。アラニスが連打を食ってグラつく。さらに連打でレフェリーストップ。辰吉が攻める姿勢で勝利。アラニスはタフだったが、ダウンを奪えなかったのが気になる。サラゴサに負けても大してランキングが下がらなかったうえに、格下との試合。そんな状況で辰吉はサラゴサに再挑戦することに。)

ダニエル・サラゴサ 12R 判定 辰吉丈一郎
WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1997年)

(感想:サラゴサがタイトル防衛。WBC世界J・フェザー級3位の辰吉が再び二階級制覇を目指す。レフェリーはあのアーサー・マーカンテ(「ジョー・フレージャー vs. モハメド・アリ」の第一戦を裁いたことであまりにも有名)。辰吉がフットワーク&ジャブ。サラゴサはディフェンスしながら右ジャブ、左ストレート、右フック。右フックなどが力強い辰吉だが、ディフェンスされ、カウンターの左ストレート、右フックを食う。サラゴサは頭部、辰吉は左マブタを負傷。12R、ラフプレーでサラゴサが減点。判定は3-0。またしてもディフェンスのテクニック、カウンターで辰吉が敗北。辰吉の強いパンチがヒットするシーンもあったが、サラゴサはタフだった。KOで勝つことにこだわって攻め続ける辰吉はサラゴサからすれば「わかりやすい動きをする選手」だったようだ。)

辰吉丈一郎 10R 判定 リカルド・メディナ
(J・フェザー級戦、1997年)

(感想:「世界前哨戦」として行われた試合。辰吉が速いジャブ連打。ヒゲを生やして強そうに見えるメディナは思い切った右ストレート、左フックを打つ。辰吉はスピードはあるが、メディナのゴツいパンチを食ったり、左手で相手の頭を押さえる反則をしたり。時折サウスポーにスイッチするメディナ。10R終了。判定で辰吉。スピードと手数が評価されたか。辰吉はタフなメディナを倒せなかったのが不満の様子。打たれたことと、妙な反則があったことが残念だった試合。一方、なかなか強かったメディナ。負けが多い中堅どころのリングキャリアではあったが、辰吉戦の後、北米スーパーバンタム級王座を獲得している。)

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