「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「右強打のロシア人」ユーリ・アルバチャコフ⑤

WBC世界フライ級王者。強打で世界王座を連続防衛。因縁の選手と決着戦。「vs. チャチャイ・エリートジム(初戦)」「vs. ラウル・フアレス」「vs. 渡久地隆人」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

勇利アルバチャコフ 12R 判定 チャチャイ・エリートジム
WBC世界フライ級タイトル戦、1995年)

(感想:ユーリがタイトル防衛。チャチャイはWBC1位で、これまで20戦全勝(15KO)。ガードを上げてジャブ。距離を取って右ストレート、左フックでカウンターを狙う。ユーリはいつものジャブ、ワンツー、左ボディ。ディフェンスの巧さとパンチを細かく当てるテクニックを見せるチャチャイ。ユーリは攻めるがあまりパンチがヒットせず、逆に細かいパンチを食う。終盤は攻めの姿勢を見せるチャチャイ。12R終了時、両手を上げて勝利をアピールするユーリ。判定は3-0。映像ではチャチャイが細かいパンチで勝ったように見えた。試合後も顔があまり変わっていなかったユーリ。どうやらチャチャイのパンチは軽かったようだ。チャチャイは基本的に受け身の試合ぶり。王者を圧倒したとは言えない内容。ユーリは左ボディ打ちがパワフルだったが、ワンパターンな攻めをチャチャイに読まれて攻撃をディフェンスされるシーンが多く見られた。)

勇利アルバチャコフ 12R 判定 ラウル・フアレス
WBC世界フライ級タイトル戦、1996年)

(ダウンシーン)
3R:右ストレートでフアレスがダウン
8R:左ボディでフアレスがダウン
10R:左フックでフアレスがダウン
(感想:ユーリがタイトル防衛。フアレスはWBC10位のメキシカン。これまで19勝(11KO)1敗。丁寧にジャブ、ストレートを使い、時折メキシカンらしい振りが大きめの左フックを振るう。構えや打ち方が大場政夫に似ているが、パワーとパンチのキレはそれほどでもない印象。ユーリは右クロスを狙う。3R、左フックからの右ストレートでフアレスがダウン(スリップ気味)。8R、左ボディでフアレスがしゃがみ込むダウン。10R、左フックでフアレスがダウン(スリップ気味)。判定は3-0。パワーでユーリ。フアレスには左を当てるテクニックがあり、手数で勝ったラウンドもあったがパンチのキレに欠けていた。)

勇利アルバチャコフ 9R TKO 渡久地隆人
WBC世界フライ級タイトル戦、1992年)

(ダウンシーン)
7R:左フック、連打で2度、渡久地がダウン
(感想:当時、因縁のあった両者の対決。試合前の会見では小競り合い。渡久地はかつて「ピューマ渡久地」のリングネームで試合をしていたことがあり、WBC8位でこれまで18勝(15KO)2敗。ユーリは22戦全勝(15KO)。共にハードパンチャーだが渡久地は動きが硬い。ユーリが伸びのあるジャブ、ストレートとフットワークで渡久地を封じ込める。7R、渡久地が二度ダウン。9Rのラッシュでレフェリーストップ。ディフェンスの差が大きく、7Rの左フックでのダウンは強烈だった。これで9連続防衛で、全勝を守ったユーリ。しかし、この試合で右手中指を骨折、長期のブランク。そして次の試合で一度は勝っているチャチャイ・ダッチボーイジムの挑戦を受け判定負け、王座陥落。試合後「疲れた。もうたくさんだ」とコメントし、引退。右の強打でファンを熱くさせてきたが、その分、右拳の慢性的な痛みに悩まされてきたという。その強打とディフェンスでほぼ完璧なレコードを残したが、当時J・フライ級で全米の人気者だったマイケル・カルバハルとの対戦が実現しなかったのが非常に残念。)

この続きはcodocで購入
----------------------------- A8 net広告