「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「柔軟なスタイルのメダリスト」清水聡

東洋太平洋フェザー級王者。ロンドンオリンピック銅メダリスト。「vs. イ・インギュ(デビュー戦)」「vs. カルロ・デメシーリョ」「vs. エドワード・マンシト(東洋王座戦)」、世界挑戦を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

清水聡 5R KO イ・インギュ
フェザー級6回戦、2016年)

(ダウンシーン)
1R:左ショートでイがダウン
2R:右フックでイがダウン
5R:左ボディフックでイがダウン
(感想:清水は岡山県出身。中学3年生の時、守安竜也(元日本王者。清水の父の友人でもあるそうだ)のジムでボクシングを始める。元々サウスポーであり、ボクシング用に左にしたわけではない、とのこと。陸上自衛隊に入隊。2012年のロンドンオリンピックではバンタム級で銅メダル(村田諒太がミドル級で金を獲った大会でもある)。度重なる脱臼に悩まされてきた左肩を手術。アマチュアに見切りを付け、井上尚弥が所属する「大橋ジム」でプロ転向。これがデビュー戦。イ・インギュは韓国フェザー級王者。しかしながら、「BOXREC」の記録によるとこれまで五戦のキャリアしかない(3勝2敗)。1R、アップライトスタイルでガードがやや低めの清水(アメリカの黒人サウスポーによくいるタイプ)。右ジャブ、左ストレート、右フック。攻めるイだが、あまりバランスが良い選手ではない印象。左ショートでイがダウン。2Rには右フック、5Rには左ボディフックでダウン。うずくまったままイがKO負け。清水が相手の隙を突く攻撃で勝利。ただ、ガードが下がったところを打たれるシーンも。イは攻めたところを逆に打たれるなど、やはりバランスがよろしくなかった。これが最後の試合となった。)

清水聡 3R KO カルロ・デメシーリョ
フェザー級8回戦、2016年)

(ダウンシーン)
3R:右フックでデメシーリョがダウン
(感想:デメシーリョはフィリピンの選手で、これまで6勝(1KO)3敗。フィリピンのバンタム級王座を獲得している。相手を警戒してブロックしながら右ストレートを狙うデメシーリョ。接近して左右フック連打。清水は距離を取ってジャブ、ワンツー、右フック(セコンドには大橋秀行)。力強いフックを持っているデメシーリョだが、やや受け身の姿勢で攻撃のリズムが良くない。3R、ロープ際で清水が激しく連打。強烈な右フックでデメシーリョがダウン。ロープ外に出たデメシーリョは失神KO負け。清水が力強いKO勝利。がっちりブロックしていたデメシーリョだが、攻撃するときの一瞬の隙を突かれた。後、デメシーリョはWBOのアジア王座(バンタム級)を獲得。フェザーの選手ではなかったようだ。)

清水聡 7R TKO エドワード・マンシト
東洋太平洋フェザー級タイトル戦、2017年)

(ダウンシーン)
1R:右フックでマンシトがダウン
5R:右フックで2度、マンシトがダウン
7R:右フックでマンシトがダウン
(感想:清水がタイトル防衛。プロ四戦目で東洋太平洋王座を獲得した清水(国内最短記録らしい)。これが初防衛戦。マンシトはフィリピンの選手で、これまで15勝(8KO)7敗2分。これまで王座を獲ったことがないマンシト。トマス・ロハス(元WBC世界スーパーフライ級王者。山中慎介にKOされたことで日本でも有名)と空位WBC米大陸フェザー級王座を争ってTKO負けしたことがある。1R、接近してフックを振るうマンシトだが、動きのスピードはあまり無く、攻めるときのバランスとディフェンスがよろしくない印象。右フックを合わされてマンシトがダウン。清水はディフェンスしながらショート連打。5Rにも右フックでマンシトがダウン。7R、右フックでマンシトがダウン。立ったが、ロープ際で連打を浴びてレフェリーストップ。マンシトのバランスの悪さが目立った試合。清水がこのような相手と試合をするのは時間の無駄のような気がした。しかしながら、清水も攻めるときのキレに欠けていた印象。相手の未熟さに救われた形。その後も東洋王座の防衛を続けた清水だが、WBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級王者のジョー・ノイナイ(フィリピン)にTKO負けを喫しプロ初黒星。ダメージ深く、右目周囲の手術を受けた。カムバックして東洋王者としてWBOアジアパシフィック・フェザー級王者の森武蔵と王座統一戦。3-0で判定勝ち。「王座を獲得している」という点では「世界挑戦の資格アリ」といったところではあるが、そのチャンスがあるかどうか?)

ロベイシ・ラミレス 5R TKO 清水聡
WBO世界フェザー級タイトル戦、2023年)
(ダウンシーン)
5R:左アッパーで清水がダウン
(感想:ラミレスがタイトル防衛。「試合枯れ」の清水に世界戦のチャンス。王者ラミレスはキューバの選手。これまで12勝(7KO)1敗と試合数は少ないが、アマチュアで豊富なキャリア。ロンドン・オリンピックではフライ級、リオデジャネイロ・オリンピックではバンタム級で金メダル。プロでは決定戦で世界王者になったばかりで、清水戦が初防衛戦となる。有明アリーナでの一戦(「スティーブン・フルトン vs. 井上尚弥」のアンダーカード)。リング入場。ラミレスはトランクスに「電車」の文字。共にサウスポーで似たタイプ。ジャブ、ワンツーを使う。アップライトスタイルの清水が距離を取ってワンツー。ラミレスはダッキングしながら接近し、左アッパー、右フック。4R、ラミレスが連打をまとめる。5R、強烈な左アッパーで清水がダウン。立ったが、連打を浴びてストップされた。ラミレスが好戦的な姿勢で勝利。ワンツーは悪くはなかった清水だが、それ以外のパンチで勝負が着いた。メダリスト対決に敗れた清水は引退が濃厚。プロ向きの畳み掛けるような攻撃力に欠けていたのが残念。) 

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