「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「一流のディフェンス」川島郭志③ 

WBC世界J・バンタム級王者。危険な強打者との世界王座防衛戦「vs. カルロス・サラサール」「vs. 李承九」「vs. ボーイ・アルアン」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

川島郭志 12R 判定 カルロス・サラサール
WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1994年)

(感想:川島がタイトル防衛。これまで14勝(12KO)2敗1分の川島。これが初防衛戦。サラサールはアルゼンチンのサウスポーで34勝(13KO)5敗1分。強打者ファン・マルチン・コッジ(同じアルゼンチンの選手でサウスポー)に似たスタイル。ソット・チタラダWBC世界フライ級タイトル、文成吉のWBC世界J・バンタム級タイトルに挑戦したが、いずれも判定負け。なぜか消極的な受け身の試合ぶりで「勝てる試合を落とした」といった負け方だった。共にサウスポーで使う武器は右ジャブ、左ストレート、右フック。両者ともパワーのあるパンチを打つがディフェンスもできるため、決定打を打ち込むことができない(川島は例の「首を振ってパンチをかわすテクニック」)。接近戦では川島が左右フック、ボディ打ちで優勢。11Rにちょっとしたハプニング。サラサールがバッティング&背後からの攻撃で減点。判定は3-0。川島がサラサールを圧倒したわけではないが、ディフェンス、ジャブ、攻める姿勢でちょっとずつ上回った。サラサールはやはり慎重な性格。強打を持ち、特に打たれ弱い弱点があるというわけではないにもかかわらず、畳み掛けるような攻めをしない。KOが全てではないが、「倒しに行く気迫がない選手」は判定でも勝てないのでは? そんなサラサール。後、真の実力に目覚めたか、IBF世界J・バンタム級タイトル、WBO世界フライ級タイトルを獲得して二階級制覇達成。)

川島郭志 12R 判定 李承九
WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1995年)

(ダウンシーン)
10R:連打で川島がダウン
(感想:川島がタイトル防衛。前王者ブエノを判定で下して二度目の防衛に成功した川島。韓国の李と三度目の防衛戦。WBC4位の李はこれまで17勝(13KO)3敗1分のハードパンチャー。東洋太平洋フライ級王座を獲得。鬼塚勝也WBA世界J・バンタム級タイトルに挑戦し、ダウンを奪ったが判定負け。これが二度目の世界挑戦。左右のスタイルの違いはあるが共にジャブを使い、ストレートを当てようとする。前に出る李に川島が左ストレートのカウンター、右フック。川島がワンツー、左ストレートからの右フックといったコンビネーションを使うのに対し、李は狙いすぎのためかジャブが少な目。時折、李の右ストレート、左フックがヒットし、両者バッティング(6R、7Rほか)。10R、左フックが効いた川島。連打でダウン。かなり効いている川島は11R、12Rはクリンチでしのぐ。判定は3-0。前半、中盤のポイントで逃げ切った形で川島が防衛。李のパンチは強かったが、ジャブが少なかったのがもったいなかった印象。後、李はこの試合の再起戦でWBC新王者となったジェリー・ペニャロサに挑戦したがKO負け。それがラストファイトとなった。

川島郭志 3R KO ボーイ・アルアン
WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1995年)

(ダウンシーン)
3R:連打で2度、アルアンがダウン
(感想:川島がタイトル防衛。四度目の防衛戦。アルアンはインドネシアの選手。これまでインドネシア王座、東洋太平洋王座(いずれもJ・バンタム級)を獲得しており、ここ数年好調で連勝中。サウスポー同士の一戦。気合いが入っているアルアン。自慢の強打で前進。ところが、この選手はちょっと荒っぽい。アルアンのラフな攻めに川島はクレームをつける。3R、一気に連打する川島。アルアンがダウン。倒れたアルアンをさらに攻撃(余程、頭に来ていたようだ)。連打で二度目のダウン。ダウンと同時にレフェリーは試合を止めた。川島はクリーンなファイトをする男。荒いことをする相手が許せないのはわかるが、冷静になるべき。勝てて良かった、といったところ。これが最初で最後の世界戦となったアルアン。その後、数試合やってキャリアを終えた。)

この続きはcodocで購入
----------------------------- A8 net広告