「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「一流のディフェンス」川島郭志④ 

WBC世界J・バンタム級王者。「サウスポーの安定王者」川島の世界王座防衛戦「vs. セシリオ・エスピノ」「vs. ドミンゴ・ソーサ」「vs. ジェリー・ペニャロサ」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

川島郭志 12R 判定 セシリオ・エスピノ
WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1996年)

(感想:川島がタイトル防衛。これまで18勝(13KO)2敗1分の川島。これが5度目の防衛戦。挑戦者エスピノWBC1位のメキシカンで、33勝(28KO)4敗1分。北米バンタム級王者だったが、判定負けで王座を手放している。ガードを上げてフットワークを使いながら速いジャブを飛ばすエスピノ。ワンツー、左フックを思い切って振っていく「活きのいいチャレンジャー」という印象。川島は足で距離を取りながら左カウンター、右フック。左フックからの右ストレートなどにキレとパワーがあるエスピノだが、川島がジャブ、カウンターでポイントを取っている印象。10R、右フックでグラつくエスピノ。判定は3-0。川島がカウンター&ディフェンスで勝利。エスピノは最後まで前に出る積極さを見せたが、攻めのパターンがやや単調。ジャブは良かったが、右ストレートと左フックは空を切るシーンが多かった。エスピノは次の試合でマーク・ジョンソンの持つIBF世界フライ級王座に挑戦し、KO負け。それが最後の試合となった。)

川島郭志 2R TKO ドミンゴ・ソーサ
WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1996年)

(感想:川島がタイトル防衛。6度目の防衛戦。WBC9位ソーサはドミニカの選手。ウンベルト・ゴンザレス、マイケル・カルバハルの世界J・フライ級王座に挑戦したことがあり(いずれも敗北)、これまで28勝(19KO)4敗。長身からジャブ、ストレートを飛ばすソーサだが、パワーはそれほど感じられない。川島はジリジリ距離を詰める。2R、右フックでグラついたソーサ。連打を浴びてレフェリーストップ。身長はあるが元々はJ・フライ級のソーサ。J・バンタム級では少し物足りない挑戦者だった。この試合でソーサは引退。川島の次の防衛戦の相手はフィリピンのジェリー・ペニャロサ。)

ジェリー・ペニャロサ 12R 判定 川島郭志
WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1997年)

(ダウンシーン)
2R:左ストレートで川島がダウン
(感想:ペニャロサがタイトル獲得。川島の7度目の防衛戦。挑戦者はWBC1位のペニャロサ。フィリピンの「ペニャロサ三兄弟」の三男(長兄のドディ・ボーイ・ペニャロサはIBF世界J・フライ級、フライ級で二階級制覇。次兄のジョナサン・ペニャロサは世界挑戦の経験がある)。サウスポー同士の一戦。レフェリーは有名なリチャード・スティール。川島はパンチのキレ、ペニャロサはパワーで勝負。ジャブの打ち合い。左右フックでボディを叩く川島。ペニャロサは得意の左ストレートに賭ける姿勢。2R終了間際、左ストレートで川島がダウン(しかしレフェリーはこれをスリップ扱い)。共に上手くディフェンスするが、ジャブで川島の左目が腫れていく。判定は2-1。ペニャロサのパワー(特に左ジャブ、左ストレート)が評価されたか。川島はこれで引退。テクニックで勝負するタイプだったため、「一発のインパクト」に欠ける印象があるが、「日本のパーネル・ウィテカー」と呼ばれたほどのサウスポーテクニックは見事なものだった。引退後は自身の「川島ジム」で若手を育成したり、ボクシング中継の解説を務めたりしている。)

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