「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「ゴッドレフト(神の左)」山中慎介①

WBC世界バンタム級王者。端正なサウスポー。日本王座を目指す試合「vs. 船井龍一」「vs. ワンパデット・シッサイトーン」、日本バンタム級王座戦「vs. 岩佐亮佑」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

山中慎介 7R TKO 船井龍一
バンタム級8回戦、2009年)

(ダウンシーン)
4R:左ストレートで船井がダウン
(感想:滋賀県出身の山中。野球少年だったが、辰吉丈一郎がシリモンコンをKOしてWBC世界バンタム級王座に返り咲いた試合に刺激されボクシングを始める。高校、大学でアマチュア試合。元々オーソドックススタイルであったが指導者のアドバイスによりサウスポーに変更。そして、プロ入り、「帝拳ジム」入門。2007年度A級トーナメント・バンタム級優勝。これまで6勝(2KO)2分で、日本スーパーフライ級5位。船井も若手で8勝(5KO)3敗。山中がブロックしながらジャブ、踏み込んで左ストレート、右フック。船井もガードを上げて、ジャブ、そして右左右のストレート連打などで前進。右ストレートを狙う船井だが、ジャブが少な目。山中は距離を取って左カウンター狙い。4R、左ストレートのカウンターで船井がダウン。船井がカウンターを食うパターンが続き、7R。ホールド(?)で減点されてしまった山中だが、連打をまとめる。船井のコーナーからタオル投入でTKO。山中が左カウンターで勝利。右フックにもキレがあった。ただ、減点されてしまったこと、相手の攻撃をかわせなかったことなど、この時点ではまだ経験不足なところも見られた。残念だった船井。右ストレートにはパワーがあり、左フックもパワフルだったが、ジャブが少なすぎた。相手がサウスポーであろうが何であろうが、ボクシングはジャブが基本。そんな船井。後、日本スーパーフライ級王座、WBOのアジア王座を獲得。勝てなかったがIBF世界スーパーフライ級王座にも挑戦した。)

山中慎介 3R KO ワンパデット・シッサイトーン
バンタム級8回戦、2009年)

(ダウンシーン)
3R:左ストレートでワンパデットがダウン
(感想:謎のタイ人ワンパデット。TV画面には「7勝(3KO)4敗」とあるが「BOXREC」の記録ではこれまで全敗の男。山中がいつものように距離を取りながらジャブ、左ストレート、右フック。ワンパデットはベタ足で動きはそれほどなく、ブロックしながら前進。ただ、右ストレート、振りの大きい左フックを思い切り打っていくタイプであるため、山中としては一発をもらわないように気を付けたいところ。3R、左ストレートがワンパデットのガードの間を貫く。ダウンしたワンパデットは試合終了後もしばらく倒れたままだった。端正なボクシングをする山中が、キレのある左ストレートで快勝。相手の隙を巧く突いた。)

山中慎介 10R TKO 岩佐亮佑
(日本バンタム級タイトル戦、2011年)

(感想:山中がタイトル獲得。日本バンタム級王座をTKO勝ちで獲得した山中。これが初防衛戦。28歳の山中はこれまで13勝(9KO)2分でWBA3位、WBC9位。21歳の岩佐は8戦全勝(6KO)で、日本1位。後に世界王者になる者同士の一戦。共にサウスポー。ジャブ、左ストレート、右フック、と使う武器が同じ。身長も同じ170cmで、リーチも同じくらい。共通点が多い、似たタイプ。1Rには右フック、2Rには左ストレートを食って山中が早くもピンチ。その後、山中は大きな動きをしながら相手を誘う。互いのパンチがヒット。そして最終10R。左ストレートからの右フックが効いた岩佐。山中が連打。さらに連打で岩佐がロープ際に後退したところでレフェリーストップ。同時に岩佐のコーナーからタオルが投入された。山中が強敵を何とか破って初防衛に成功。二人の間には大きな実力の差はなかったが、連打するときのパンチのキレ・手数で山中の方が上だった印象。山中の次の試合はクリスティアンエスキベルとのWBC世界バンタム級王座決定戦。)

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