「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「ゴッドレフト(神の左)」山中慎介④

WBC世界バンタム級王者。強打でピンチになった強敵との世界王座防衛戦「vs. アンセルモ・モレノ(初戦)」「vs. リボリオ・ソリス」「vs. アンセルモ・モレノ(再戦)」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

山中慎介 12R 判定 アンセルモ・モレノ
WBC世界バンタム級タイトル戦、2015年)

(感想:山中がタイトル防衛。23勝(17KO)2分の山中。9度目の防衛戦。相手はWBAタイトルを12回防衛したモレノ。これまで35勝(12KO)3敗1分。ロングフックを使うパナマの選手で、イラリオ・サパタのようなタイプ。ファン・カルロス・パヤノ(後、井上尚弥に1RでKO負け)に負傷判定負けで王座陥落。山中のWBCタイトルを狙う。サウスポー同士の対戦。共にジャブを使って左ストレートを狙う。モレノのストレートを首を振ってかわす山中。共にディフェンスができるため静かな展開。9R、モレノの右フックでグラつく山中。10R、山中の「神の左ストレート」がヒット。判定は2-1。ダウンシーンは無し。打たせない者同士の試合は大きな波乱もなく終了。後に再戦する両者。この試合は「挨拶」のようなものだった。)

山中慎介 12R 判定 リボリオ・ソリス
WBC世界バンタム級タイトル戦、2016年)

(ダウンシーン)
2R:右フックでソリスがダウン
3R:右ストレートで2度、山中がダウン
9R:左ストレートでソリスがダウン
(感想:山中がタイトル防衛。10度目の防衛戦。挑戦者のソリスはベネズエラの選手で、元WBA世界スーパーフライ級王者。IBF王者だった亀田大毅との王座統一戦で計量に失敗し、水をがぶ飲み。試合には勝ったが王座を剥奪されたことで有名。ジャブを使いながらパワフルな右ストレート、左フックを打つソリス。2R、攻めたところを右フックでカウンターされてソリスがダウン。そして3R。マトモに右ストレートを食って山中がダウン。連打するソリス。山中は右フックからの左ストレートなどで応戦するが、今度は右カウンターでダウン。それで慎重になったか、山中はディフェンスしながら速い連打、左カウンター。ソリスは攻めるが巧くかわされ、9Rには左ストレートカウンターでダウン。11R、両者ロープ外に落下するハプニング。判定は3-0。ジャッジ三人が全て「117-107」。ポイント上は圧勝だが、山中は相手の最も得意なパンチを食って二度もダウン。偶然打たれたパンチではなく、山中の戦い方の隙を突くパンチだっただけに、今後の試合に影響しそうな内容だった。一発狙いのスタイルだったソリス。上下に打ち分けるコンビネーションなどができないところが残念。後、ソリスはジェイミー・マクドネル、ギレルモ・リゴンドウに敗北し、二階級制覇に失敗。パンチ力はあったが、テクニックのある相手には弱かったようだ。)

山中慎介 7R TKO アンセルモ・モレノ
WBC世界バンタム級タイトル戦、2016年)

(ダウンシーン)
1R:左ストレートでモレノがダウン
4R:右フックで山中がダウン
6R:左ストレートでモレノがダウン
7R:左ストレートからの右フック、左ストレートで2度、モレノがダウン
(感想:山中がタイトル防衛。11度目の防衛戦。サウスポー同士の再戦。前回の判定に納得がいかなかったか、モレノは1Rから積極的(「チャレンジャーは攻めないといけない」と考えたのかも知れない)。しかしながら、モレノは振りが大きく、連打するときに上半身が泳ぐような体勢になるクセがある。山中は端正なボクシングでジャブを多用。ダウン応酬の打ち合いになり、5Rには4Rにダウンしたものと同じような右フックで山中がダウン寸前になったものの、7Rにモレノを打ちのめした。「サウスポーのやりにくさ」を利用して勝ってきたモレノ。相手も優れたサウスポーということでその利点を利用することができず敗退。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」といった感じのKOを狙う姿勢で山中がピンチになりながらも勝利した。

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