「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「平成の三羽烏」ピューマ渡久地④

日本フライ級王者。世界挑戦を目指していた頃の試合。「vs. 岡田明広」「vs. 大場貴志」「vs. ローランド・パスクワ」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

ピューマ渡久地 10R 判定 岡田明広
(日本フライ級タイトル戦、1995年)

(感想:渡久地がタイトル奪回。直前の試合で権昌夫にTKO負けした渡久地。かつて持っていた王座に挑戦。岡田はこれが二度目の防衛戦。10Rのみの映像で観戦。タフな岡田が右ストレート、左右フックで前進し、右を当てる。渡久地は応戦、クリンチ。判定は3-0だったが、ジャッジの二人は1ポイント差だった。そして、試合後のファンのブーイング。「岡田にベルトやるよ!(「判定が気に食わないならベルトを返してやる」の意)」と渡久地。しかし、岡田は健闘を称え、渡久地と握手。これが岡田の最後の試合となった。)

渡久地隆人 10R TKO 大場貴志
(日本フライ級タイトル戦、1995年)

(ダウンシーン)
10R:連打で大場がスタンディングダウン
(感想:渡久地がタイトル防衛。この試合から本名の「渡久地隆人」としてリングに上がることになった渡久地。奪回した王座の初防衛戦。挑戦者の大場もまた世界を狙う選手。元世界王者と連戦し、ヘルマン・トーレス、金奉準に勝利、ヘスス・ロハスにはTKO負け。「ロハスに負けた」という共通点がある二人の対戦。リズムを取りながらジャブを打つ大場。渡久地はディフェンスしながらジャブ、コンビネーション(ワンツーからの左フック、など)。大場も左フックからの右ストレートといったコンビネーションを見せる。接近戦での打ち合いが続く。パワーでは渡久地か? 10R、立て続けに強打を浴びた大場がスタンディングカウントを聞く。それでも打ち返す大場だが、再び打たれ、足に来たところでレフェリーストップ。なかなか激しかった試合。渡久地も右カウンターを食うなど一進一退だったが、ディフェンス&パワーで防衛に成功。よく頑張った大場。世界ランキングにも入っていたが、その後、事故のため引退。その実力にしては意外だが、日本王座などのタイトルを一度も獲得することはなかった。)

渡久地隆人 10R 判定 ローランド・パスクワ
(スーパーフライ級戦、1995年)

(感想:ハイライトで観た試合。勇利アルバチャコフWBC世界フライ級王座に挑戦した渡久地だがKO負け。それでもリングに上がり続け、エリック・チャベス(元IBF世界ストロー級王者)、ハイメ・アリギンといったフィリピン人選手と対戦して勝利。これまで22勝(19KO)3敗、WBA世界スーパーフライ級7位。そしてこのパスクワ戦。パスクワは元WBC世界J・フライ級王者。あのウンベルト・ゴンザレスをKOして世界を驚かせたこともある男だが、それは遠い昔の話。今ではフィリピン・スーパーフライ級3位で、44勝(15KO)21敗。サウスポーのパスクワ。ガードを上げてジャブ、左ストレート、連打。渡久地はディフェンスしながらコンビネーション(左ボディからの左フック、右ストレートが迫力)。時折、パスクワの左ストレートカウンターがヒット。判定は2-1。パスクワは動きは悪くはなかったが、やや受け身の試合ぶり。渡久地が攻めの姿勢で勝利したものと思われる。その後、渡久地は世界挑戦の話もあったが、頭部のダメージによりブランク。次の試合にTKO負けして引退。後の世界王者、元世界王者に勝利したが、結局、世界王座を獲れなかったのは残念。引退後はジムを経営していたが、体を壊してしまう。どうやら現役時代のダメージがジム経営のストレスで悪化したらしい。ボクシングはやはり危険な世界。渡久地のような強かった男でも引退後はつらい日々。元世界ヘビー級王者ティム・ウィザスプーンによると、「引退後、不幸になっている選手の方が多い」とのこと。)

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