「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

令和のボクシング④(中谷潤人、那須川天心、寺地拳四朗)

「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」有明での興行。「中谷潤人 vs. アルヒ・コルテス」「那須川天心 vs. ルイス・グスマン」「寺地拳四朗 vs. ヘッキー・ブドラー」を紹介します。

中谷潤人 12R 判定 アルヒ・コルテス
WBO世界スーパーフライ級タイトル戦、2023年)
(ダウンシーン)
5R:左ボディ、右ボディで2度、コルテスがダウン
9R:連打でコルテスがダウン
(感想:中谷がタイトル初防衛。アンドリュー・モロニー(オーストラリア)を強烈なKOで下してWBO王座を獲得した中谷(25歳。これまで25戦全勝(20KO))。これが初防衛戦。挑戦者コルテス(28歳。25勝(10KO)3敗2分)はメキシカン。ファン・フランシスコ・エストラーダ相手に12Rフルに戦ったことがある。これが初の王座戦。東京・有明アリーナでの一戦。リングアナはジミー・レノン・ジュニア。サウスポーの中谷。前傾姿勢で右ジャブ、左ストレート。かつての世界ミドル級王者マイケル・ナンに似たスタイル。コルテスは左を使いながら右を当てようと狙う。右ストレートからの左ジャブといったテクニックを持っているが、動き自体は速くない。左ストレートを当てる中谷。コルテスはパンチを打ち終わった後のバランスが悪いため、畳み掛けるような連打ができない。5R、左ボディでコルテスがダウン。さらに右ボディで二度目のダウン。6Rに右パンチを当てたコルテスだが、9Rにも左ボディが効いてダウン。12R、中谷がスリーパーホールド(プロレス技)、そしてワンツー連打。12R終了。判定は3-0。中谷がサウスポーのテクニックで勝利。パワーはそこそこだったが、左ストレート、左ボディ打ちが良かった印象。ただ、コルテスは微妙なチャレンジャー。世界を獲るには器用さに欠け、攻撃が単発だった。)

那須川天心 8R 判定 ルイス・グスマン
スーパーバンタム級戦、2023年)
(ダウンシーン)
1R:左カウンターでグスマンがダウン
7R:右ショートでグスマンがダウン
8R:左ストレートでグスマンがダウン
(感想:那須川(25歳)のプロボクシング二戦目。相手はメキシコ・バンタム級王者グスマン(27歳)。層が厚いメキシコのバンタム級。その王者となると相当な実力者に違いない。これまで10勝(6KO)2敗。ただし、本人によるとこの記録に入っていない試合もあるとか(メキシコの草試合のことと思われる)。この試合のレフェリーはビニー・マーチン(元ミドル級選手)。那須川のセコンドには元世界二階級王者の粟生隆寛。サウスポーの那須川。ガードを上げて速い右ジャブ。グスマンもガードを上げて左ジャブ。速い左カウンターでグスマンがダウン。その後、共にフットワークは少な目でストレートを狙う。右を当てようとするグスマンだが、フックは振りが大きく不正確。那須川はディフェンス(首を振ってパンチをかわすテクニックも披露)しながらワンツー、連打、カウンターで左ボディ打ち。デビュー戦と同様、インターバルのときに座らない。7R、相手の動きを止めたいのかグスマンが那須川の足を踏む(反則)。そして右を当てるのに成功。しかし、右ショートを当てられてグスマンがダウン。8R、オーソドックスにチェンジして那須川が右ストレート。試合終了間際、左ストレートでグスマンがダウン。8R終了。判定は3-0。那須川がキレのある動きで勝利。ボディをカウンターで打つなどタイミングを捉えるのが巧い印象。ただ、この選手はファイタータイプではなくボクサータイプ。戦いぶりが亀田興毅に似ている。打ち合いを避けながらカウンターを取るスタイルでこのまま上位クラスを狙うのだろうか? 個人的にはジャブをパワーアップするのが望ましいと思う。グスマンは残念。攻撃の正確さに欠けた。強い挑戦者にメキシコ王座を奪われるのは時間の問題なのでは?)

寺地拳四朗 9R TKO ヘッキー・ブドラー
WBAWBC世界ライトフライ級タイトル戦、2023年)
(感想:寺地がタイトル防衛。これまで21勝(13KO)1敗の王者、寺地。かつての名王者、柳明佑に似たスタイル。一度、WBC王座を不本意な形で失ったが、奪回。京口紘人のWBA王座を吸収して統一王者に。「小さな巨人」といっても良いレベルの実力。挑戦者ブドラーは南アフリカ共和国の白人。WBA4位、WBC1位で35勝(11KO)4敗。ニックネームは「The Hexecutioner(死刑執行人)」。決定戦でWBA世界ミニマム級暫定王座を獲得。その王座は後に正規王座、スーパー王座に格上げ。田口良一からWBAIBF世界ライトフライ級王座奪取。IBF王座を返上。京口に敗れ、WBA王座陥落。ブランク後、再起三連勝でこの寺地戦。王座奪回なるか、といったところ。両選手入場。寺地はWBAWBCのベルト。ブドラーは派手なトランクス、上半身にはたくさんの水墨画。共にガードを上げてリズミカルな動き。ブドラーが左フックからの右ストレートといったコンビネーション。寺地はいつものようにまずはジャブから。そしてディフェンスしながら相手のガードの隙を突く右カウンター、ボディ打ち。手数が多い打撃戦。互いに機敏な動きを見せるが、当てるテクニックは寺地が若干上か? 5R、バッティングで寺地が右マブタから出血。一進一退の中、9Rに寺地がラッシュ。ブドラーがロープ際で連打されたところでレフェリーストップ。スピーディだった試合。ブドラーのジャブ、ストレートがヒットするシーンもあったが、寺地がディフェンスと隙を突くパンチで勝利。最早、普通の選手では寺地とは勝負にならない。寺地を一撃で仕留めるようなパワーのある選手、またはパンチを当てさせない厄介なタイプの選手でないと寺地から王座を奪うのは難しいだろう。)


「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」への支援をお願いします。

この続きはcodocで購入
----------------------------- A8 net広告