「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「大阪のスター」井岡弘樹②

初代WBC世界ストロー級王者、WBA世界J・フライ級王者。ストロー級王者時代の因縁のナパ。王座を懸けた「vs. ナパ・キャットワンチャイ(三試合)」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

井岡弘樹 12R 引分 ナパ・キャットワンチャイ
WBC世界ストロー級タイトル戦、1988年)

(ダウンシーン)
1R:左フックでナパがダウン
(感想:井岡がタイトル防衛。サウスポーのナパはWBCインターナショナル王者。1R、タイミングのよい左フックでナパがダウン。その後、ナパは積極的に前に出る。井岡はフットワークとジャブ、ストレートを中心とした連打。ナパは一発一発を強く打つタイ人ボクサーらしい打ち方。井岡の連打にナパはひるまず、打ち合いではナパが優勢。最終12R、左ストレートでピンチになった井岡。終了のゴングが30秒以上早く鳴った。かろうじて引き分けた井岡。ナパはパンチ力では勝っていたが、相手を見過ぎて手数が少なくなってしまった場面もあった。)

ナパ・キャットワンチャイ 12R 判定 井岡弘樹
WBC世界ストロー級タイトル戦、1988年)

(感想:ナパがタイトル獲得。ナパのパワーを警戒して井岡はフットワークとジャブで距離を取ろうとする。パワーで攻めるナパ。攻めるナパを井岡がかわす、という展開。ラウンド終了時に手を上げて「自分が勝っている」というアピールをする井岡。9R、ナパが井岡を投げ飛ばす。10R、井岡がナパを挑発。12R、ナパが井岡の腕をねじって後ろから攻撃。最終ラウンド終了時には小競り合い。勝利を確信している様子の井岡だったが、判定はナパ。判定に首をかしげる井岡。距離を取って上手くナパをコントロールできたと思ったのだろうが、パワーで負けた。この時点ではこれが限界だった様子。)

ナパ・キャットワンチャイ 11R TKO 井岡弘樹
WBC世界ストロー級タイトル戦、1989年)

(ダウンシーン)
5R:右フックで井岡がダウン
11R:左ストレートで井岡がダウン
(感想:ナパがタイトル防衛。チャレンジャーの井岡。攻めの姿勢で前に出る。ナパはパワーを込めた左ストレートを狙う。井岡のパンチは軽く、打ち合いではナパが優勢。5Rのダウン。顔の腫れと鼻血で痛々しい感じになっていく井岡。井岡の右ストレートがヒットするシーンもあったが、11Rには二度目のダウン。立ち上がったもののコーナーで滅多打ちを喰らいレフェリーストップ。ナパを突き飛ばすメガネ男。井岡はテクニックではなくケンカで負けた、という印象。井岡は中途半端。「自分のボクシング」ができていない場合には勝てる相手にも惨敗を喫してしまう、悪い見本のような試合だった。)

ナパ・キャットワンチャイ
井岡から王座を奪った後、ジョン・アリーフに判定勝ちして王座初防衛。二度目の防衛戦で井岡をTKO。三度目の防衛戦で崔漸煥にKO負けしてWBC世界ストロー級王座陥落。再起戦でローランド・パスクワに大苦戦の末、判定勝ち。その次の試合で大橋秀行の持つWBC世界ストロー級王座に挑戦、判定負け。四連勝の後、ウンベルト・ゴンザレスのWBC世界J・フライ級王座に挑戦して惨敗。最後は日本で四連敗して引退。「歌手になりたい」と現役時代に語っていたそうだが、今は何をやっているのだろう?

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