「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「和製ハグラー」大和田正春 

日本ミドル級王者。長身から繰り出すジャブ、右ストレートが武器だったスキンヘッド。「vs. 赤井英和」「vs. 無限川坂(初戦・再戦)」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

大和田正春 7R KO 赤井英和
ウェルター級戦、1985年)

(ダウンシーン)
4R:右ストレートで赤井がダウン
7R:左ジャブで赤井がダウン
(感想:日本ウェルター級6位の大和田。これまで8勝(7KO)8敗1分。パンチはあるが、KO負けすることもよくある男。WBC世界J・ウェルター級9位の赤井は19勝(16KO)1敗。「1敗」はWBC世界J・ウェルター級王座に挑戦してブルース・カリーにKOされたもの。再び世界戦を目指す状況。ゴング前、至近距離で両者がニラみ合う。大和田は距離を取ってジャブ、そして右ストレート、左フック。赤井はジャブを使いながら右ストレート、左右フック。大和田が打たれ弱いと見たか、赤井はパワーで制圧しようと強引に攻める。大和田はディフェンスしながらカウンターで対抗。4R、左フックでグラついた赤井。右ストレートでダウン。その後も攻める赤井だが、パンチの振りが大きく、バランスも悪い。7R、ジャブで体勢を立て直そうとする赤井だが、強いジャブを浴びてダウン、KO。大和田が赤井のガードの隙を突いて快勝。ジャブが少なかったのが赤井の敗因だと思うが、動きのキレにも欠けていた。コンディションが良くなかったのだと思われる。)

大和田正春 4R KO 無限川坂
(ミドル級戦、1986年)

(ダウンシーン)
4R:右ストレートで川坂がスタンディングダウン、右ストレートでダウン
(感想:日本J・ミドル級9位の大和田。赤井戦の後、二連続KO負け。戦績は9勝(8KO)10敗1分。勝つも負けるもKO、といった状況。日本ミドル級王者の川坂は日本J・ミドル級王座を獲得したことがある二階級制覇王者。この試合はノンタイトル戦。大和田より背は低いがガッチリした体格の川坂。重そうな右ストレート、大振りの左フックで前進。スラリとした大和田は距離を取ってジャブ、右ストレートで応戦。2R、攻めたところに右ストレートを食って川坂がグラつく。パワーで相手を制圧しようとする川坂だが、大和田の右ストレートにはキレとパワーがある。4R、激しい打ち合いで共にピンチ。右ストレートで川坂がスタンディングカウントを聞く。ラウンド終了間際、右ストレートで川坂がダウン、KO。大和田がシャープなパンチで快勝。川坂は力強かったがパンチの振りが大きかったため、隙も大きかった。また、体格的に大和田にとって川坂はパンチが当てやすい相手だったようにも見えた。)

大和田正春 10R 判定 無限川坂
(日本ミドル級タイトル戦、1986年)

(感想:大和田がタイトル獲得。再戦。日本1位の大和田が川坂に挑戦。大和田がアップライトスタイルでジャブ、右ストレート、左フック。川坂はのらりくらりとした動きでジャブを出す。インサイドからアッパー気味のフックをヒットさせる大和田。川坂は良い右ストレートを持っているが単発なため、大和田に攻撃をかわされてしまう。判定で大和田。離れても接近しても大和田のパンチがよくヒットしていた。後の三度目の対戦でも大和田の勝利。大和田は東洋太平洋ミドル級王座への挑戦は失敗に終わったが、大和武士をKOして日本ミドル級王座の五度目の防衛に成功。そして網膜剥離のため王座を返上、引退。国内王者にとどまったが、80年代の日本ボクシングを代表する個性派だった。)

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