「ジュン・タン佐藤 vs. 植田憲治、新井泰(再戦:日本J・フェザー級タイトル戦)」「アラ・ビラモア木村 vs. 千葉テノリア」「タバナス大塚 vs. ボーイ・デグノス」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」
①ジュン・タン佐藤 2R TKO 植田憲治
(フェザー級戦、1993年)
(ダウンシーン)
1R:右ストレートで植田がダウン、連打でスタンディングダウン
(感想:ジュン・タンはフィリピンの選手。長身で長いリーチから繰り出すジャブ、ストレートが武器。植田は日本J・フェザー級6位。ジュン・タンが足のスタンスを広くとってジャブ。植田は接近してフック攻撃。右ストレートで植田がダウン。さらに連打でスタンディングダウン。1R終了後、植田が棄権。ジュン・タンは良い選手。長いジャブ、ストレートだけではなく、フックもパワフルに使いこなす。浜田剛史との試合でおなじみのレネ・アルレドンド風の選手。)
②新井泰 5R KO ジュン・タン佐藤
(日本J・フェザー級タイトル戦、1995年)
(ダウンシーン)
5R:右フックで2度、ジュン・タンがダウン
(感想:新井がタイトル獲得。再戦。初戦はこの王座の決定戦でジュン・タンがKO勝ちしている。ジュン・タンはテレビ映像のテロップではこれまで4勝(4KO)6敗(これは日本での戦績ではないかと思われる)。新井は日本1位で、16勝(8KO)3敗1分。新井が足で距離を取ってジャブを連打、そして接近してフック連打。ジュン・タンは長いパンチを器用に使い、思い切ったワンツー。ボディ打ちも巧い。接近戦では互いに力強いフック攻撃。5R、ロープ際に追い込まれたジュン・タンが右フックでダウン。再開後、右フックで再びダウン、KO。映像で観た感じではジュン・タンは実に良い選手、という印象があったが、意外なほどの打たれ弱さがあった。戦績を見ると勝つも負けるもKO、といった感じの選手であった。新井は防衛を続けたが、ライバルの松島二郎に敗北し、日本バンタム級王座は獲得ならず。)
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③アラ・ビラモア木村 4R KO 千葉テノリア
(ストロー級戦、1991年)
(ダウンシーン)
1R:ワンツーでテノリアがダウン
4R:右ボディフックでテノリアがダウン
(感想:共にフィリピン人。日本のジムと契約し、リングに上がっている。ビラモアは当時、期待の新鋭。これまで17戦全勝(15KO)。テノリアはテレビ映像のテロップでは5勝(3KO)3敗1分(これは日本での戦績ではないかと思われる)。共にサウスポー。フットワーク、ジャブ、左ストレート、右フック。しかし、スピードとパワーに差が。速いワンツーでテノリアがダウン。4R、右ボディでテノリアがダウン。立てず、KO。テノリアも力強い左ストレートを打っていたが、勢いでビラモアが優勢に試合を進めて勝利した。後、ビラモアはラタナポン・ソーウォラピンのIBF世界ストロー級王座、リカルド・ロペスのWBC世界ストロー級王座に挑戦したが、いずれもKOで敗北。ラタナポンとロペスは当時、専門家からの評価も高かった強豪だった。)
④タバナス大塚 7R KO ボーイ・デグノス
(J・フライ級戦、1992年)
(ダウンシーン)
7R:右ストレートでデグノスがダウン
(感想:WBA世界ストロー級8位のタバナス大塚。日本ストロー級6位のボーイ・デグノス。共にフィリピン人。デグノスは足で距離を取りながらキレイなジャブを打つ。タバナスはパワーを込めてジャブ、右ストレート、左フック。7R、左フックからの右ストレートでデグノスがダウン、KO。タバナスが豪快にKO勝利。デグノスは良いジャブを打っていたが、タバナスはパワーのあるジャブ。コンビネーションにもパワーがあった。なかなか強かったタバナス。後にリカルド・ロペスのWBC世界ストロー級王座に挑戦したがKO負け。ライトフライ級でも世界挑戦したが敗北。パワーがある選手にありがちな「狙いすぎ」なスタイルのためか世界王座には手が届かなかった。)