WBA世界スーパーフェザー級王者。トリッキーな相手との防衛戦。「vs. オリバー・フローレス」「vs. ジェスレル・コラレス（初戦・再戦）」「三浦隆司 vs. ビリー・ディブ」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ：聖龍拳」
①内山高志 3R KO オリバー・フローレス
（WBA世界スーパーフェザー級タイトル戦、2015年）
（ダウンシーン）
3R：左ボディフックでフローレスがダウン
（感想：内山がタイトル防衛。これまで23勝（19KO）1分の内山。WBA６位のフローレスはニカラグアの選手で27勝（17KO）1敗2分。サウスポーのフローレスは内山の強打を警戒しているのか距離を取ってジャブ、左ストレート、右フック。内山は相手のディフェンスの隙を突くジャブ、右ストレート。3R、左ボディでフローレスがうつぶせにダウン、KO。内山が圧勝。フィニッシュのボディ攻撃が強烈だった試合。「ニカラグアのボクサー」と言えばアレクシス・アルゲリョやローマン・ゴンザレスを思い出すが、フローレスは彼らのようなハードヒッターではなくテクニックで勝負するタイプ。正直なところパワー、凄みはあまり感じられない選手だった。）
②ジェスレル・コラレス 2R KO 内山高志
（WBA世界スーパーフェザー級タイトル戦、2016年）
（ダウンシーン）
2R：左ストレート、連打、左フックで３度、内山がダウン
（感想：コラレスがタイトル獲得。コラレスはパナマのサウスポーでWBA世界スーパーフェザー級暫定王者。右のガードを下げたスタイルからジャブ、突き刺すような左ストレート、振りの大きいフック。バタバタした動きで八方破れな打ち方。ただし、時折オースドックスにスイッチし、攻めるときは思い切りがいい。内山はいつものようにブロックしながらジャブ、右ストレート。2R。非常に速い左ストレートで内山がダウン。これが完全に効いて、二度のダウンを追加してKO。相手のガチャガチャした打ち方にしてやられた形。個人的にはコラレスのようなバランスが良くない攻めをする選手は好みではないが、パンチ自体はとても速かった。）
③ジェスレル・コラレス 12R 判定 内山高志
（WBA世界スーパーフェザー級タイトル戦、2016年）
（ダウンシーン）
5R：左フックでコラレスがダウン
（感想：コラレスがタイトル防衛。WBA２位として内山がコラレスに挑戦。コラレスは内山の強打を警戒しながら右ジャブ、左ストレート。距離を取ったり、クリンチしたりでパンチを当てさせない作戦。そして変則的に動き、時折オーソドックスにスイッチ。内山は動きが固い。パンチにはパワーを感じるが、手数が少ない。5R、左フック（？）でコラレスがダウン。微妙なパンチでダメージはあまりなさそう。10R、内山の右ストレートがボディに命中。12R終了。判定は２－１。勝って大喜びするコラレス（のらりくらりとかわすボクシングだったコラレス。そんなに喜ぶほどの戦いをしたか？）。内山の勝ちパターンはジャブをしっかり当て、ワンツー、ボディ打ちで相手を追い込む、というもの。この試合では相手に先手を取られ、ジャブが少なく、そのため得意の右ストレートもかわされてしまった。全盛期と比べると不本意な内容だった内山はこれで引退。軽量級が中心の日本ボクシング界で中量級で連続KO防衛の実績を残したその強打ぶりはこれからも語り継がれるに違いない。）
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④三浦隆司 3R TKO ビリー・ディブ
（WBC世界スーパーフェザー級タイトル戦、2015年）
（ダウンシーン）
3R：連打でディブがダウン
（感想：三浦がタイトル防衛。かつて内山に挑戦して敗れた三浦だが、その後WBC王座を獲得。これが四度目の防衛戦。これまで28勝（21KO）2敗2分。セコンドには元世界ランカー、葛西裕一。挑戦者のディブはオーストラリアの選手で39勝（23KO）3敗1ノーコンテスト。元IBF世界フェザー級王者でもある。サウスポーの三浦。右を使いながら得意の左強打を狙う。ディブはフットワークで距離を取ってジャブを使いながら、右ストレート、右ボディフック。ジリジリとプレッシャーをかけながら三浦が接近戦でフック攻撃、ディブはクリンチ。3R、三浦の強烈な左フックがヒットし、さらに連打でディブがダウン。立ったがフラフラしており、レフェリーストップ。三浦が得意の左でボクサータイプのディブを豪快に粉砕。ただ、少し狙いすぎだったか、三浦の手数はやや少な目だった印象。三浦は次の防衛戦で王座陥落。王座奪回を目指した試合にも敗北して引退。浜田剛史ばりの左パンチが印象に残る危険なファイターだった。）
