「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「サウスポーの安定王者」渡辺二郎①

WBAWBC世界J・バンタム級王者。世界を目指す試合「vs. パクタイ・リポビタン」「vs. 金喆鎬(WBC世界J・バンタム級戦)」「vs. 李光錫」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

渡辺二郎 10R 判定 パクタイ・リポビタン
(J・バンタム級戦、1980年)

(ダウンシーン)
5R:左ジャブで渡辺がダウン
(感想:岡山県出身で大阪育ちの渡辺。高校時代は水泳、大学時代は日本拳法で活躍(水泳は「しなやかな身体」を作るのに最適だと言われている)。「大阪帝拳ジム」に入門し、アマチュアを少し経験後、プロ入り。全日本フライ級新人王戦で後の世界王者、小林光二を1RでKO。これまで全勝。タイの「パクタイ・リポビタン」とは何者なのだろう? 「ボクシングマガジン1981年2月号」によると「16戦全勝(4KO)」とあるが、「BOXREC」の記録ではこれがデビュー戦。かなり好戦的なパクタイ。ジャブで接近し、思い切った打ち方で右ストレート、左右フック連打。渡辺は距離を取ろうとし、右ジャブ、左ストレート、右フック。互いに打たれても打ち返す一進一退の展開。右を食って渡辺が後退したり、逆にパクタイが左ストレートで後退したり。5R、タイミングのいい左ジャブで渡辺がダウン。終盤は渡辺が優勢。判定で渡辺。パンチの正確さとディフェンスで勝利。なかなか強かったパクタイ。しかし意外なことに、その後は権順天(後、渡辺と世界戦で対決)に1RでKOされるなど、連敗してキャリアを終えた。)

金喆鎬 15R 判定 渡辺二郎
WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1981年)

(感想:金がタイトル防衛。パクタイに競り勝った渡辺の次の試合は金への挑戦。金は国内王座(J・バンタム級)を獲得するなど、戦績が良く、初の海外試合で実力者ラファエル・オロノをKOしてWBC世界J・バンタム級タイトル獲得。韓国・ソウルで初防衛戦。ジャブの打ち合いと接近戦で両者一歩も引かず。サウスポーの渡辺は左ストレートのカウンター。金は接近して連打。パンチを当てる巧さは渡辺、手数は金、といったところ。15R終了。判定は3-0。ボクシング界には世界王者を挑戦者より上の存在と見なす習慣がある。互角の場合、ポイントを取るのは王者。挑戦者が勝つには王者を上回る攻撃をする必要がある。) 

渡辺二郎 10R 判定 李光錫
(J・バンタム級戦、1981年)

(ダウンシーン)
7R:右ボディ(?)で李がダウン
(感想: 金に負けた渡辺の再起二戦目。TV解説席にはファイティング原田、小林弘。WBC9位、11勝(8KO)1敗の渡辺。李は韓国フライ級3位で10勝(2KO)3敗1分。金喆鎬に負けたことがある者同士の一戦。上体を忙しく動かしながら李が右ストレート、接近して左右フック。渡辺は左ストレート、右フックで応戦。接近戦では互いにボディ攻撃。6R、バッティングで両者負傷。7R、李がダウン(映像では右ボディ打ちに見えた。李はカウントを取られて不満顔。ダウンではなかったのかも)。積極的な李だが終盤はさすがに疲れたか、渡辺がリズミカルな動きと連打で優勢。判定は3-0。ディフェンスとパンチの正確さで渡辺。李はパクタイ・リポビタン同様、なかなか強かった。しかし、彼もまた大成することなくキャリアを終えた。)

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