「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「サウスポーの安定王者」渡辺二郎②

WBAWBC世界J・バンタム級王者。二度目の世界挑戦。「vs. アリババ」、WBA世界J・バンタム級戦「vs. ラファエル・ペドロサ」「vs. グスタボ・バリャス」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

渡辺二郎 5R TKO アリババ・ルークロントン
(J・バンタム級戦、1981年)

(ダウンシーン)
1R:連打で2度、アリババがダウン
5R:連打でアリババがスタンディングダウン、右フックでダウン
(感想:世界を狙う渡辺がタイ人と対戦。謎の男アリババ。「BOXREC」の記録によるとプロでは数試合を経験しただけで勝利は一つだけ。ウィリアム・デベロスの東洋太平洋J・バンタム級王座に挑戦してKO負けしている(デベロスはフィリピン人で、後、村田英次郎の東洋太平洋バンタム級王座、全周都のIBF世界J・バンタム級王座に挑戦して敗れている)。1R、慎重にディフェンスしながら距離を取ってジャブを出すアリババ。渡辺はジャブ、左ストレート、左右フック、ボディ打ち。攻める姿勢で二度ダウンを奪う。その後、アリババは連打で反撃するが、渡辺はディフェンス。5R、右フックでアリババのマウスピースが吹っ飛ぶ。連打でアリババがスタンディングカウントを聞き、右フックでダウン。倒れると同時にレフェリーの森田健は試合を止めた。渡辺の左ストレートがよく当たっていた試合。ボディもよく攻めていた。アリババはサウスポーが苦手だったのかもしれないが、受け身の姿勢。ただ、右ストレートにはいいものがあった。もっと攻める姿勢を見せてほしかったところ。)

渡辺二郎 15R 判定 ラファエル・ペドロサ
WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1982年)

(感想:渡辺がタイトル獲得。二度目の世界挑戦。王者ペドロサはパナマの選手で、あのエウセビオ・ペドロサの「いとこ」。グスタボ・バリャスを15R判定で下して王者に。日本で防衛戦。サウスポーの渡辺、オーソドックスのペドロサ。構えの違いはあるが、共にディフェンス、ジャブ、そしてストレートを狙う。2R、渡辺の左カウンターがヒット。共にパンチにキレがあるが、ペドロサの攻めはディフェンスされる。5Rに左アッパーを決めたペドロサだが、6R、7Rに左ストレートと連打を食ってピンチ。終盤は前に出るペドロサ、カウンターする渡辺、といった展開。判定は3-0。渡辺が左ストレートとディフェンスで勝利。パナマの選手はテクニックでポイントを取るが倒しには行かないタイプが多い。これが最後の試合となったペドロサ。悪い選手ではなかったが、「凄み」という点では少し物足りない王者だった印象。)

渡辺二郎 9R TKO グスタボ・バリャス
WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1982年)

(感想:渡辺がタイトル防衛。これまで15勝(10KO)1敗の渡辺。バリャスと初防衛戦。アルゼンチンの挑戦者バリャスは57勝(22KO)1敗1分。襄錫哲をTKO で下して初代WBA世界J・バンタム級王者に。初防衛戦でラファエル・ペドロサに敗れ、王座陥落。日本で王座奪回を目指す。サウスポーの渡辺がジャブ、左ストレート、接近して速いフック連打。バリャスも良いジャブ、ストレートを打ち、連打で攻めるがディフェンスされてしまう。渡辺の左ストレート、右フックが効果的。9R終了間際、渡辺の速い連打でロープ際に追い込まれるバリャス。レフェリーストップ。バリャスは強そうな右ストレートを打っていたが、それをかわされてしまっては勝てない。相手の一番の武器を巧くディフェンスして渡辺が勝利。その後もバリャスは戦い続け、多くの試合をしたがシュガー・ベビー・ロハスWBC王座への挑戦はTKO負けに終わり、王座返り咲きならず。)

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