「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「サウスポーの安定王者」渡辺二郎③

WBAWBC世界J・バンタム級王者。実力者とのWBA王座防衛戦「vs. 大熊正二」「vs. ルイス・イバネス」「vs. 仙台ラミレス」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

渡辺二郎 12R TKO 大熊正二
WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1982年)

(感想:渡辺がタイトル防衛。二度目の防衛戦。挑戦者の大熊はWBC世界フライ級王座を二度獲得しているベテラン選手。(勝てなかったが)名王者ミゲル・カントと戦ったり、海外で世界を獲得したりといった実績。サウスポー同士の一戦。似た戦い方。互いにジャブ、左ストレート、右フック、連打。一進一退。最後は大熊が出血してTKO。共通点がある二人の対決だったが、パワーとパンチの正確さでは渡辺が上だった。サウスポーの利点を生かして勝ってきた大熊。相手もサウスポーだったということでパワーの差で勝負がついた。これで大熊は引退。)

渡辺二郎 8R KO ルイス・イバネス
WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1983年)

(ダウンシーン)
8R:右フック、左ストレートで2度、イバネスがダウン
(感想:渡辺がタイトル防衛。三度目の防衛戦。イバネスはペルーの選手。これまで33勝(24KO)1敗1分。王座を獲得したことはまだないが、WBA1位。どんな選手なのか? 慎重な構えからジャブ、右ストレートのイバネス。渡辺はリズミカルな動きでジャブ、左ストレート。接近戦を仕掛けるイバネスだが、渡辺はディフェンスし、左でカウンターを取る。8R、ワンツーからの右フックでイバネスがダウン。再開直後、左ストレートで二度目。カウントアウトで試合終了。渡辺が左で勝利。イバネスは右ストレートは伸びがあって良かったが、やや細かいボクシング。もう少し伸び伸びとした動きをしてほしかったところ。後、イバネスは再起戦でカオサイ・ギャラクシーバンコクで対戦。KO負けを喫し、それが最後の試合となった。)

渡辺二郎 15R 判定 仙台ラミレス
WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1983年)

(ダウンシーン)
1R:左ストレート、右フックで2度、ラミレスがダウン
4R:右フックでラミレスがダウン
9R:連打でラミレスがダウン
(感想:渡辺がタイトル防衛。四度目の防衛戦。これまで18勝(13KO)1敗の渡辺。ラミレスはメキシカン(本名:ロベルト・ラミレス・エスピノサ)。WBA9位で27勝(19KO)4敗1分。戦績は悪くはないが、メキシコ・フライ級王座への挑戦はKO負け、元WBA世界フライ級王者の金泰式に判定負けしている。1R、まずは慎重に距離を取るラミレス。左ストレートでダウン。振りの大きいフックで反撃するラミレスだが、攻めるときのバランスが悪く、右フックで二度目のダウン。隙の大きいラミレスに渡辺が左ストレート、接近してフック連打。4R、右フックでラミレスがダウン。ところがなかなかしぶといラミレス。接近して闇雲に連打し、右パンチを時折ヒットさせる。9R、連打でラミレスがダウンしたが、その後も乱戦。判定は2-0。15R制とはいえ、四度ダウンで2-0とは。タフネスを生かしながらやたらに連打して渡辺を苦しめたラミレスは後に渡辺と同じ「大阪帝拳」の辰吉丈一郎を痛めつけたビクトル・ラバナレスのようなタイプだった(ただ、ラバナレスとは違い、結局、世界を獲得できず、キャリアを終えた)。打たれた渡辺は顔の腫れと出血でまるで負けたかのような顔になってしまった。)

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