「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「サウスポーの安定王者」渡辺二郎⑤

WBAWBC世界J・バンタム級王者。WBC王座防衛戦「vs. パヤオ・プーンタラット(再戦)」「vs. フリオ・ソト・ソラノ」「vs. 勝間和雄」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

渡辺二郎 11R TKO パヤオ・プーンタラット
WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1984年)

(ダウンシーン)
5R:右フックでパヤオがダウン
11R:左ストレートでパヤオがダウン。
(感想:渡辺がタイトル防衛。これまで22勝(15KO)1敗の渡辺。WBC1位パヤオは16勝(10KO)2敗。因縁の再戦。初戦はWBA王者の渡辺、WBC王者パヤオの「統一戦」として行われる予定だったが、WBAが渡辺の王座剥奪(剥奪された王座はカオサイ・ギャラクシーが決定戦で獲得)。2-1の微妙な判定でパヤオWBCベルトを奪われた。熊本県で行われた再戦(大阪帝拳の渡辺。タイのパヤオ。何故、熊本?)。フットワークを控え目にして、得意のジャブ・ストレートを強打するパヤオ。しかし、5Rにダウン。カウンターとディフェンスの渡辺。パヤオのパンチは当たらない。11R、左ストレートでパヤオがダウン。立ったが、左ストレートを打たれたところでレフェリーが止めた。今回はチャレンジャーということで積極的だったパヤオ。負けたが右ストレートにはかなりの迫力があった。しかし、その再起戦でコントラニー・パヤカルン(サーマート・パヤカルンの弟。後、ヒルベルト・ローマン、カオサイ・ギャラクシーの世界王座に挑戦したが、いずれも判定負けで世界獲得ならず)に負け、パヤオは引退。引退後は政治家になったが、病に倒れ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)で死去。48歳の若さだった。)

渡辺二郎 12R 判定 フリオ・ソト・ソラノ
WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1985年)

(感想:渡辺がタイトル防衛。これまで23勝(16KO)1敗の渡辺。WBC王座の二度目の防衛戦。WBC6位の挑戦者ソラノはドミニカの選手。ドミニカ・バンタム級王座、WBAWBCの地域王座(いずれもJ・バンタム級)を獲得するなど、38勝(21KO)5敗2分。ただ、フリアン・ソリス(後、WBA世界バンタム級王者に)、ミゲル・ハッピー・ロラ(後、WBC世界バンタム級王者に)、フレディ・ジャクソン(後、ダニエル・サラゴサ空位WBC世界バンタム級王座を争って反則負け)といった実力者には敗北している。ガードを上げてブロックしながら長いジャブ、右ストレートを伸ばすソラノ。渡辺は右ジャブを使いながら左ストレート狙い。ソラノはなかなかバランスが良い選手。ワンツー、左フック、接近して左右フックでボディ打ち。互いにディフェンス。渡辺が左カウンター、ボディフックをヒットさせる。11R、ソラノの右がヒットして渡辺はクリンチ。判定は3-0。渡辺が攻める姿勢で勝利。ソラノは優秀な選手だったが、KOを狙うような攻めをしなかった。中南米にはテクニックはあるが、倒す姿勢に欠けるため王座を取り逃がしたり、勝てる試合を落としたりする選手がいる。もったいない話。)

渡辺二郎 7R TKO 勝間和雄
WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1985年)

(ダウンシーン)
4R:右フック、右アッパーで2度、勝間がダウン
7R:左ストレートで2度、勝間がダウン
(感想:渡辺がタイトル防衛。これまで24勝(16KO)1敗の渡辺。WBC6位の勝間と三度目の防衛戦。勝間は17勝(13KO)8敗1分の選手。デビュー以来、勝ったり負けたりだったが、日本J・バンタム級王座を獲得、三度防衛。直前の試合では小林光二(元WBC世界フライ級王者。世界王者になる前の渡辺に1RでKOされている)をTKOで下している。リズミカルなフットワークを使いながらガードを上げてジャブを飛ばす勝間。しかしながら、1Rから渡辺の左ストレート、右フックがヒット。接近戦を仕掛け、左右フック、ボディ打ちを見せる勝間だが、4Rに二度ダウン。7R、右フックからの左ストレートでダウン。さらに左ストレートでダウンし、倒れると同時にレフェリーは試合を止めた。渡辺が快勝。勝間の動きは悪くなく、ディフェンスもしていた。にもかかわらず渡辺のパンチはよく当たっていた(ガードをしていればよい、というものではないらしい)。リングサイドでは桂三枝が観戦。試合中、渡辺が三枝に挨拶する珍シーン(?)も。後、勝間は日本J・バンタム級王座を奪回。決して弱い挑戦者ではなかった。)

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