「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

懐かし系の試合を中心に日本ボクシングを紹介するブログ。映像を見た感想を書いています。

「強打の怪物」井上尚弥⑥

三階級制覇王者。大物との対戦&ラスベガスでの二連戦。WBAIBF世界バンタム級戦「vs. ノニト・ドネア(初戦)」「vs. ジェイソン・マロニー」「vs. マイケル・ダスマリナス」を紹介します。「日本ボクシング専門ブログ:聖龍拳」

井上尚弥 12R 判定 ノニト・ドネア
WBAIBF世界バンタム級タイトル戦、2019年)

(ダウンシーン)
11R:左ボディフックでドネアがダウン
(感想:井上がタイトル防衛。「World Boxing Super Series(ワールドボクシング・スーパーシリーズWBSS)」なる大会の決勝戦。「バンタム級最強」を決める試合。フィリピンのドネアは五階級制覇王者(スーパーバンタム級フェザー級王座も獲得)。しかし、ギレルモ・リゴンドウ、ニコラス・ウォータースらに敗北を喫するなど、階級を上げてからは連戦連勝というわけにはいかない。「WBSS」でWBA世界バンタム級のスーパー王者になったドネア。WBAIBF世界バンタム級王者の井上と「WBSS」の決勝戦で対決。日本で行われた一撃必殺の左フックを持つ「怪物」同士の一戦。互いに強打を警戒してジャブでスタート。右ストレート・左フックを狙う両者。2Rにドネアの左フック、9Rには右ストレートがヒット。11R、左ボディでドネアがダウン。判定は3-0。日本ボクシング史上屈指の名勝負。タイトルやWBSSという「肩書き」よりも、この二人の試合が実現したことに大きな意味がある。「一発で終わるかもしれない」という緊張感こそが「本物のプロボクシング」だが、この試合にはそれがあった。顔のダメージが大きかった井上。ドネアはさすがに全盛を過ぎてパンチのキレが落ちていた。共に全盛期だったらどちらが勝っていただろうか?)

井上尚弥 7R KO ジェイソン・マロニー
WBAIBF世界バンタム級タイトル戦、2020年)

(ダウンシーン)
6R:左フックでマロニーがダウン
7R:右ストレートでマロニーがダウン
(感想:井上がタイトル防衛。ラスベガス「MGM Grand」に統一王者、井上が登場。ボブ・アラム「TOP RANK社」の興行。挑戦者マロニーはオーストラリアの選手。デビュー以来、連勝でWBAの地域王座(バンタム級スーパーバンタム級)を獲得、防衛してきたが、エマヌエル・ロドリゲスのIBF世界バンタム級王座への挑戦は2-1で敗北。その後、四連勝でこの二度目の世界チャレンジ。井上が2RでKOしたロドリゲスに負けているチャレンジャー。どんな試合を見せるか? 共に金色のグローブ(色が少し違う)。井上はトランクスも金。パンチの打ち方が良い両者。ガードを上げ、ジャブ、ワンツー、左フック。足でリズムを取るマロニーはかつての名王者リカルド・ロペスのような動き。井上が右アッパー、右クロスを出すが、マロニーはディフェンスもできる。3R、井上の右アッパーがカウンターでヒット。その後、距離を取って回復を図ろうとするマロニーだが、6R、ジャブを連打したところを左フックでカウンターされ、ダウン。7R、右ストレートのカウンターでマロニーが二度目のダウン。立てず、KO。井上がパンチを当てる巧さで勝利。ダウンを奪ったパンチ、3Rのアッパー(カウンター)が見事だった。マロニーはバランス良く攻撃でき、ディフェンスもできるなかなか良い選手だったが、3Rの右アッパーで事実上、勝負がついてしまった。その後のマロニー。再起戦でWBCのシルバー王座(バンタム級)を獲得。三度目の世界挑戦なるか、といったポジションにある。)

井上尚弥 3R TKO マイケル・ダスマリナス
WBAIBF世界バンタム級タイトル戦、2021年)

(ダウンシーン)
2R:左フックでダスマリナスがダウン
3R:左ボディフックで2度、ダスマリナスがダウン
(感想:井上がタイトル防衛。二試合連続でラスベガス。「TOP RANK社」の興行。挑戦者ダスマリナスはフィリピンのサウスポー。このところ無敗で、これまでWBCのユース王座(S・フライ級)、フィリピン王座、IBO王座(いずれもバンタム級)を獲得。来日経験もあり、日本選手に判定勝ちしている。軽快なフットワークで距離を取りながら右ジャブ、左ストレートのダスマリナス。井上は左を使いながら右パンチを当てようとする。2R、左ボディが効いたダスマリナス。左フックでダウン。3R、防戦一方となったダスマリナスが左ボディで二度ダウン。二度目のダウンと同時にレフェリーは試合を止めた。井上が強打で圧勝。プロモーターのボブ・アラムから祝福を受けた。ダスマリナスの距離を取る作戦は悪くはなかったと思うが、攻めが単発で受け身。試合の流れを作れるような動きではなかった。惨敗だったが、現在再起中。井上は次の防衛戦でタイのケンナコーン・GPPルアカイムックに8RでTKO勝ち。そして、WBC王者ノニト・ドネアと再戦。)

YouTube「Top Rank Boxing」より)

「vs. ジェイソン・マロニー」

「vs. マイケル・ダスマリナス」

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